M-261 シールドバリア
シールドバリア
盾にさらに結界を張る
「ふと思ったんだが、盾ってすごくね?」
「急になんの自慢話だよ」
「いや、そういうのじゃなくて、盾作った人すげーなって」
舟長と剣士が話している。
アサシンと魔法使い、それと斧戦士が外に出かけているので、いま自宅には二人しかいない。
服を買いに行った女性陣に、荷物持ちの斧戦士。
腕力が足らない二人は、笑顔で留守番を強制されたのだ。
「守護で魔法使いを庇ってるときって、魔法ダメージも物理ダメージもオレが肩代わりするじゃん?」
「ああ、そうだな」
「一向に盾が壊れないってすげーなと思ってさ」
「そりゃ、剣士、うちに耐久度システムがないからだろ」
リビングで話すには怪しい内容になってきた。
「けど、錆びは出るよな」
「……確かに。これはオレたちのシステムにはそもそも存在しなかったことだ」
「まー、耐久度システムとかあっても困るしな。戦闘中に武器が壊れるとか、勘弁だぜ」
「本来、異世界というものにリアリティを入れるなら、そうすべきかもしれんが」
やつら、異世界だの、リアリティだの、ファンタジー小説だの言い出しましたね。
雲行きが怪しい。
え? ファンタジー小説とは言ってないって?
そりゃ、失礼しました。
「そこで考えたんだが、冒険者の盾にはあらかじめ魔法か何かかけられてるんじゃねーかなって」
「そういう話は魔法使いに振ってやれよ。喜ぶぞ」
「でも、いまいねーし? さっき思いついたんだよ」
「そうか。でもオレたちは魔法に詳しくねーからな。斧戦士たちが帰ってきたら言ってみるか」
会話が途切れた。
二人の留守番は続く。
魔「え? 盾に魔法? かかってないと思うけど……」
斧「魔法じゃなくてスキルかもよ?」
魔「今度、スキルも引っぺがせる魔法を開発しなきゃね」
斧「それはそうと、剣士、盾に結界を張っておいたぞ。これで少し防御性能が上がるはずだ」
剣「サンキュー! 助かったぜ」




