M-260 サイズダンス
サイズダンス
味方も敵も
「乱戦ってあんまり経験ないからさ」
「まあ、いつもの戦闘画面だと、一列に並ぶもんな」
「ど、どうすればいいんだ!?」
「とりあえず全体攻撃で片付くよ。自分以外が」
「なにさらっと味方まで攻撃してんだ、斧戦士!」
「ごめん、手が滑った」
敵と味方が入り混じる混戦。
挙動不審な魔法使い以外は、敵を殲滅するのに忙しそうだ。
舟長が地味にダメージを受けている。
主に、フレンドリーファイアーによって。
「あ、ごめん。舟長だった」
「え!? 見間違えるか? 普通!」
「シールドバッシューって、なんだ舟長か」
「剣士! おまえもか!」
「ベルセルクアタックー!」
「こいつに至っては、謝りもしねえ! 絶対わざとだろ!」
そんななか、一番フレンドリーファイアをしそうな彼女と言えば、まだ行動について迷っていた。
彼女は小心者なので、いざという時に素早い行動ができないのだ。
そういう人間はなにをしでかすか。
「ええーい! やけくそー!」
とりあえず鎌を振り回して全体攻撃を仕掛けたのだ。
こないだの鎌(※ジャンプサイズを参照)と違って小さいので、魔法使いでも片手で振り回せた。
その結果がこれである。
魔法使いが敵のほとんどの首を刈り、敵が見えなくなった頃。
「よーし、帰ろう! ……あれ? やけに静かだね」
魔法使いはぐるりと周囲を見渡した。
人間の首が四つ転がっていて、四人の霊体がため息をついていた。
魔「もしかして:間違って攻撃しちゃった?」
舟「もしかしてもなにもねーよ! このアホンダラ!」
ア「ダンスだから仕方ないでしょ」
斧「魔法使いさんに鎌は危ないから、これはしまっておこう」
剣「魔法使いが持ってると、うっかり自分の首を刈りそうで怖いぜ」
舟「ふと思ったんだが、うちは死んだら倒れグラが出るだけだよな? 飛んでった首は、光のエフェクトになって消えなきゃおかしい」
魔「……ギク!」
舟「鎌なんて装備もないし」
魔「ギクギク!」
舟「以前、斧戦士が鎌という名の斧を扱っていたが、おまえじゃ装備できないだろ?」
魔「うるせー! のっけから乱闘になってる時点でおかしいんだよー!」




