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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
262/527

M-255 ウォーターシールド


ウォーターシールド

雨の日は傘を差そう




「今日は、雨か……」

「梅雨時だからな。仕方ないだろ」


 魔法使いと舟長が、窓の外を眺めながら言った。

 しとしと。ざーっ、ざーっ。しとしと。しとしと。

 雨の強さはそのときどきで変わる。


「なんか外でやりたいことでもあったのか?」

「うーん。特にないけど」

「なんだよ。ないのかよ」

「いや、一応、昨日作った魔法を試し撃ちしようかな、とは考えてた」


 魔法使いはマイ杖を振り回しながら言う。

 ちょっと危ない人になったので、舟長が距離をおいた。

 アサシンと剣士が、リビングで何か話している。


「雨の都って知ってる?」

「天空都市のことか?」

「それは天の都でしょ。そうじゃなくて、そう呼ばれるダンジョンがあるの」

「へえ。明日晴れたら行くか?」

「残念なことに、そのダンジョンは雨が降ってるときにしか行けないんだって」

「雨が降り終わったら、強制脱出されるとかありそうだな」

「ええ、それは困るでしょ。誰も攻略しに来ないって」


 雨の都は、雨が降り続ける廃墟だ。

 かつてはそこに壮麗な都があったと言われているが、面影は残っていない。

 異常気象と悪の組織が起こした事件のせいで、すっかり寂れてしまったのだとか。

 魔法使いと舟長は顔を見合わせた。

 雨はまだ降っている。


「雨の都か」

「舟長も聞いたことあるの?」

「それなりに情報収集はしてるつもりだ。斧戦士には負けるがな」

「ただいま、魔法使いさん。雨の都の簡易地図いる?」

「わあ。いるいるー!」


 喜ぶ魔法使い。舟長は、やっぱり勝てねえな、と思う。

 だいたい、いつ外に出て、その地図を取ってきたんですか?

 外にいたなら、会話聞いてないはずですよね?

 などという疑問は、斧戦士が一人だけなら言える話だ。

 階段から黒トキワがぼよよんと降りてくる。

 こいつが本体に情報でも伝えていたのだろう。


「ねえ、斧戦士さん。この地図どっち向きに読むの?」

「こっちが入り口で、こっちは別のダンジョンにつながってるらしいよ」

「今から行って間に合うか?」

「転移陣なら作っておいたけど」

「さすが斧戦士だぜ。話がはやい。アサシン、剣士」

「はいはーい」

「おう。行こうぜ」


 やや強くなり始めた雨のなかを、スカイアドベンチャーは出発していった。






魔「ウォーターシールド!」

ア「わあ、おっきな傘!」

剣「おお、これなら濡れずに行けるな!」

舟「飛行船とはいったい……」

斧「今回は転移陣で移動するから、飛行船要らないじゃん」

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