M-254 アッシドレイン
アッシドレイン
つづりミスってますよ
「せっかく溶かす魔法ができた訳だし、これを攻撃魔法に転用してみよう」
「溶かす魔法ってまさか、隕石溶かしたヤツか?」
「そうだよ。なんで?」
「だって、隕石すら一瞬で溶かす魔法なんて食らったら、人間なんかグロ画像になるぞ」
「まあ、ちょっとR-18Gかもしれないけど」
そう言いつつ、魔法陣を書く手を止めない魔法使い。
舟長は、ちょっと……? と疑問を持ちつつ、魔法使いの作業を見守る。
「安直だけど、名前は酸の雨にしよう」
「酸性雨か」
「そう、アッシドレインだね」
「うん? アッシド……アッシド?」
「アッシドは酸って意味だよ」
「いや、そうじゃなくて、おま」
何かを呟こうとした舟長だったが、それは第三者の手によって封じられる。
舟長を黙らせた斧戦士が、舟長がさっきまで座っていた椅子に座る。
「溶かす魔法と聞いて」
「サンドバッグさんに使うの?」
「あいつにさん付けは要りません」
「サンドバッグに使うの?」
「完成次第、その予定です」
じっと魔法使いの手元を見つめる斧戦士。
彼は魔法陣が読める戦士族なので、たぶん何か助言でも考えているのだろう。
「アッシドレイン、良い名前だね」
「でしょー? ちょっと待っててね。あと少しで出来るから」
舟「つづりのミスは修正箇所に入らないんですか!?」
ア「イメージネイションと同じ理由でしょ。要は魔法使いちゃんの独自性が表れてるの」
剣「今回は無意識にやってるのか……」
魔「できたよー!」
斧「試作品の実験は是非サンドバッグで」
舟「どこのキャッチコピーだよ」




