M-251 スライミーウォーター
スライミーウォーター
溶かすよ!
「雑か! 説明雑だぞ、魔法使い!」
「ひょえ? 何が?」
「ああ、いや。うん。ごめん、なんでもないわ」
「あっそう……」
魔法使いはこのあいだ作った、魔法の糸を取り出して、なにやら用意している。
木箱のなかには、メテオスターから抽出した隕石。
それから、いつも携帯している魔法製作用の杖。
「何が始まるんです?」
「第三次……えーっと」
「考えてから言えって。待っててやるから」
「ホントにー?」
「ホントだって」
作業をしながら考える魔法使い。
杖を片手に、何か小声で唱える。
舟長には、スライムなんとかと聞こえた気がしたが、これが今回の新作魔法だ。
効果は、特定の固体を溶かして液体にする、というもの。
魔法の対象はなんと、隕石だった。
「よーし、じゃあこれに糸を漬けこんで……」
「馬鹿、魔法使い! これ漏れてるぞ!」
「え? どこどこ?」
「どこっていうか、全体だ!」
「代わりの入れ物を持ってきました」
ワープで現れた斧戦士は、金属製のバケツを持参していた。
なんだかよく分からない原理で溶けているものを、そんな普通の入れ物に入れていいのかとか、迷う時間はなかった。
残ったわずかな液体をかき出し、バケツに入れ替える。
しかし。
「おい、どうすんだよ。染み込んでるぞ、これ」
「普通の方法じゃ取れそうもないね。どうする? 魔法使いさん」
「んじゃまあ、そのバケツ、ここにだばーして」
「えっ!?」
「だばー」
必死で集めたはずの液体が、すべて床に染み込んでいく。
舟長は、魔法使いと斧戦士を交互に見た。
そうするしかなかったからだ。
「じゃ、ディスペル!」
ディスペルは、かかっている魔法を引き剥がせる魔法である。
この場合、隕石にかかっていたスライミーウォーターが無効になって……。
床の上にごろんと三つの隕石が現れた。
魔「第三次……やり直し大会だ!」
舟「その発言からやり直してほしい」
斧「魔法使いさん、この糸をこれに漬ければいいのー?」
ア「斧戦士のワープ便利だよねえ。ボクも使いたい」
剣「対象にする人物を目的にワープしてんだっけ? 難しいぜ……」




