M-249 ポップフラワー
ポップフラワー
キミの笑顔が咲くように
「なにこのキザなセリフ」
「戦闘中になに言ってんの?」
「舟長、頭だいじょぶ?」
「おまえよりはましです」
「斧戦士! 戦闘中に味方を襲うのはやめろ!」
「すまん、すまん」
全然、緊迫感のない戦闘である。
しかし、これがデフォルトである彼らは、雑談を交わしながら確かに攻撃を加えていた。
「けど、あれ、気になるだろ?」
「ああ、頭上に浮かんでる文字でしょ?」
「魔法使いの新作紹介なんだから、もう少し待とうぜ」
「なんでこの人たち、上の文字見えてんの? 怖い」
斧戦士はおののいた。
上の文字、というのは、この話の一番上に書いてある、ポップフラワー以下二行のことだ。
あれはいつも魔法使いが考えてたり、考えてなかったりするので、魔法使いがカンカンかと思いきや、彼女はじっと黙っている。
いや、これは黙っているのではない。
魔法の詠唱中だ!
「……ポップフラワー!」
炸裂する色とりどりの魔法の花。
敵は花に押しつぶされて死んだ。
花葬である。
「地属性攻撃さ!」
誰に向けてだろうか、ポーズを決める魔法使い。
画面の向こうのキミへ。
この花を見て、ぜひ笑顔を咲かせてほしい。
魔「咲かせてほしいって変換したら、割かせてほしいって出た。こわい」
舟「おまえは何を言っているんだよ」
斧「これ、敵が地上にいると、近くの植物の花が咲いて、攻撃に参加してくれるんだ」
ア「へー、だからポップアップするみたいな感じ!?」
剣「たぶんそうなんだろうけど、本人……あいつら何の話してんの?」




