M-246 マッシュルーマー
マッシュルーマー
キノコ人
「シイタケを食らったわたしは、シイタケに潜んでいた謎のキノコ星人に乗っ取られ、舟長たちを唐突にキノコ化しようとしてしまったのだ!」
「すっごい説明的」
「うるさい」
杖を掲げ、叫ぶ彼女は魔法使い。
スカイアドベンチャーという冒険者パーティーの副リーダーだ。
「そういう設定で行くから」
「はいはい。悪のキノコ星人に洗脳されちゃったんだ」
「アサシンちゃん、悪の、じゃなくて、謎の、だよ!」
「うんうん、ごめんね。間違えちゃった」
「よろしい。では、舟長含め四人。覚悟はいいかね?」
魔法使いは、パーティーのメンバーをぐるりと見渡した。
誰も逃げようとする者はいない。
「ちょい待て。オレは逃げたいんですが」
「ダメでーす」
「斧戦士が、750もある腕力をフルに使ってオレを拘束している」
「舟長のセリフも説明的なので、ダメです」
「なにがだよ!」
誰も逃げる人はいなかったので、魔法使いはご機嫌。
杖をくるりと回して、素敵な呪文を唱えた。
「マッシュルーマー!」
白い煙のようなものが舟長たちを包み込み……。
すっかり晴れたあとには、彼らの頭の上には光り輝く笠があった。
舟「おい、この笠、鋭角過ぎだぞ! これじゃキノコ星人じゃなくて笠地蔵じゃねーか!」
斧「馬鹿野郎! 魔法使いさんの再現度が高い訳ないだろ!」
剣「おまえさ、たまにフォローすると見せかけて、魔法使いのことディスるよな」
ア「綺麗な笠だね……。触ってもいい?」
魔「残念だけど、その笠を手で触れることはできないのだ」




