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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
25/527

M-023 デスロック


デスロック

即死防止




「デスローック!」


 間一髪で間に合った魔法使いの魔法、デスロック。その効果は即死無効。

 即死無効は剣士しか持たない故にこういう敵には効果的だ。そう、野良もののアサシンなんかには。


「理解できないと、な。君なら分かってくれると思っていたのだが」

「アサシンギルドに所属しながら冒険者やってるボクならって? 勝手に理解を求めないでくれる?」

「残念だ。では君にももう用はないな」

「その紳士的態度、どういう意図でやってるか知らないけど、似合ってないね。それに……、ボクたちにもう即死は効かないよ」

「即死しかできないようなら今頃生きてないさ。では参る!」


 敵のアサシンが大声で叫ぶと、SK全員の強化が引き剥がされる。

 凍てつく風!? とか叫んでる人がいますが、世界観が違う上に間違ってますよ? 波動ですよ? やってもないのに無理して使おうとするからですよ?


「舟長を蘇生、リバイブ!」

「ただいま」

「おか!」

「おかえりベルセルクアタック」

「オレに攻撃してるみたいだからやめて」


 復帰した舟長が早速回復魔法を唱える。

 ヒーリングエリア、パーティー全体を回復させる全体回復魔法だ。手っ取り早く、ある程度の回復量が有るのが売りだが、SP消費が50とかなり重め。

 その間に斧戦士が攻撃をしかける。

 ベルセルクアタック、敵に対してランダムで急所攻撃を放つたいへん強力な技だ。敵が多いとダメージがバラけて面倒臭いが、こうして一人なら関係なく放つことができる。


「敵の攻撃が来るよ!」

「備えて!」

「言われなくても、魔法使いを守るぜ!」

「物理攻撃なら心配ご無用です」

「ぐわー」


 せっかくいい感じだったのに、大声を上げて倒れたのは舟長。魔法使いが確めに行くと、既に息をしていなかった。即死攻撃だ!

 だが何故……デスロックで全員即死無効になっているはず。効果は切れてない。なら何故……?


「あ、しまった。舟長が死んでたときにデスロック唱えてたからだ」

「つまり、舟長だけ即死無効がかかってないって訳だな!?」

「その通り! でも舟長だけ、掛けなおすのもちょっと気力が足りない!」

「仕方ないね、舟長は死んだまま戦闘を進めよう!」

「舟長を回復するのは戦闘後だな」


 斧戦士がそう言って斧を一閃させた。相変わらず不憫一直線な舟長である。

 ただ、舟長を蘇生させ、死ぬだけに、魔法使いやアサシンの一ターンを費やすのがもったいないのは確かだ。


「すっかり倒す気でいるようだが、こちらの攻撃で全滅してもいいのだぞ」

「全滅したら全滅したで、おまえをもう一度倒しに来る。必ずだ!」

「即死の意味が分かっていないようだな。その舟長とやら、いつまでそうして魂を保っていられるのだろうな」

「わたしが望む限り永遠にだ!」

「魔法使いちゃん、下がって! 危ない!」

「SKはシステムに縛られる代わりに、自然現象への干渉を失った! 我々はもはや常識の重力から宙に浮いている! おまえの望む結果にはならない!」


 魔法使いの目の前に斬撃が現れるが、斧戦士が斧で弾き返す。斧防御だ。

 魔法使いの渾身の叫びに、気をとられた敵のアサシンが、味方のアサシンに攻撃される。


「ボクもそうだけど、即死への対策をしていないアサシンって多いんだよね。君はどうかな?」

「言っただろう、その程度でやられるならば今頃生きていないと!」

「チッ、残念だけど、ボクの攻撃も即死だけじゃないよ! アイスブレード!」

「氷属性の魔法攻撃!? しかしアサシンならそれほど威力はでないはず!」

「それはどうかな、ラッキースター!」


 魔法使いの援護で、アサシンのクリティカル率がぐーんと上がる。クリティカル攻撃は敵の防御や魔法防御を無視する。

 とっさに恐怖を覚えた敵は防御姿勢を取る。それがいけなかった。敵からの攻撃がやんだことを確認した剣士がヒーリングエリアを四人にかける。

 魔法使いが魔法を唱え始めた。その魔法はトランス。魔法の威力を最大限に高める補助魔法だ。


「させるか!」

「こっちのセリフだぜ」

「まったくだ」


 敵のアサシンが魔法使いに手を伸ばすが、それは剣士と斧戦士に阻まれる。

 斧戦士の攻撃!なんの変哲もない斧攻撃がアサシンのHPを削る。


「トランス」


 魔法使いの二度目のトランスが唱えられ始めた。物語は終演へと向かい始める。誰の?

 この戦いはもうすぐ終わる。終わりのない人生を選んだSKか。人生を終わらせてばかりだったアサシンか。どちらの勝利で終わるかはもう目に見えている。


「エナジーフォース!」


 白い閃光が飛び込んでくる。アサシンはそう思った。

 閃光は彼のもとで爆発が起こり、SKたちに経験値が入る。戦いは終わったのだ。






魔「デスロック、即死無効の魔法。効果は戦闘が終わるまで。ただしSP消費が500とかなり重い」

舟「デスとロックだとなんかの音楽系統みたいだな」

魔「えっあ、そうだね。でもあれだよ、即死に鍵かける的な意味合いでロックだよ!」

ア「大丈夫、分かってるよ」

斧「アサシンの彼は気絶していたのでギルドに引き渡しました。アサシンギルドに」

剣「何気にえげつないよな、これ。命は助かったけど死んでた方がましって目に合わされるんだぜ、これから」

舟「オレとしては、魔法使いの本気の一撃を食らっておきながら、気絶ってのが信じられないぜ」

斧「戦闘不明の意味合いが違うんだろうな、たぶん。モンスターは死に、人間は気絶する。五人いるこっちの戦闘不明は即死なのに」

ア「人間からモンスターになったときも容赦なく死ぬよね。モンスターから人に戻れる手段がないからなのかな」

魔「まあ、取りあえず勝ったからいいじゃーん」

剣「ま、そういうことだよなー」

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