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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
248/527

M-241 チャージアタック


チャージアタック

威力に比例してスティックが壊れる




「もうスティックは要らねーよ!」

「なんでよ」

「魔王がポテ……あぶねっ」

「ロングソードとかあるね」

「やめろ!」


 魔法使いが舟長に怒られている。

 きょうはいい天気だ。


「さて、このスティックだけど」

「見覚えがあるな」

「うん。こないだ、舟長と二人で冒険に行った日、敵に囲まれたから渡したのに、舟長が使いかた間違えて全滅したときのスティック、現物ママだよ」

「いやに説明的なセリフだな」

「現物ママだよ」

「分かったから」


 魔法使いからスティックを受け取る舟長だ。

 戸惑っている。

 使いかたはぐるぐる回すだけなのは分かったが、これで今度はなにをさせる気なのか。


「この魔法はね、威力を高めるものなんだ」

「おまえ、なんかはしょってるだろ。ちゃんとイチから話して」

「え? えーとね、この魔法は、この魔法によって放たれる魔法攻撃の威力を高めるものなんだ」

「スティックを回してか?」

「そう! 回せば回すほど威力は高まるよ」


 いい笑顔で微笑む魔法使い。

 舟長はこの後の展開が分かって、表情を曇らせる。


「で、オレにやれと」

「この魔法、物理依存なんだよね。わたしがやっても悲惨なことになるけどいい?」

「斧戦士はどうした?」


 斧戦士とは、舟長がリーダーを務める冒険者パーティー随一の攻撃力を持つ仲間である。

 数値化すると750。

 ごく普通の一般人が100、舟長が300、ほかの冒険者でも500が精いっぱいといえば、すごさが伝わるだろうか。

 物理依存なら、彼に任せれば一番いいだろうに。

 舟長はいぶかしんだ。


「なんか、斧戦士さん、忙しそうにしてて」

「そんなことないよ」

「うわっ、急に割って出るな!」

「舟長、うるさい」

「あまりにも理不尽である」


 舟長はいじけて膝を抱えた。

 後ろのほうで、チャージアタックの詠唱が聞こえた。






魔「斧戦士さん、回す速度早すぎ。術の構成が間に合わないよ」

斧「全力で回したらスティックが壊れたでござる」

剣「あるある」

ア「これって、壊れるか反応しなくなるかどっちかだよね」

舟「そういうゲームやったことある人しか共感できないネタはやめましょう」

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