M-240 サイクルチャージ
サイクルチャージ
スティックをぐるぐる回してゲージをためろ!
「おい、魔法使い」
「なんだね、舟長」
「この状況、やばいぞ」
「うん。追い詰められてるね」
「他人事みたいに言うな。どうする?」
全然緊迫感のない仲間を叱りつけて、舟長は再び前を向く。
見直しても、敵の山。
どう見てもこっちに迫っていた。
「ふはは。わたしを便利屋かなにかと勘違いしてるね?」
「まあ、困ったときには魔法で解決してくれるだろうとは思ってるけど?」
「ふふふ。運がいいね、舟長」
「状況見て発言してくれ」
「え?」
「……切羽詰まってるから、もったいぶらずに教えてくれ」
ちょっと言い回しを変えただけなのに、さっぱりわからんという顔をした魔法使い。
舟長はわざわざ言い直したが、正直なんとかしてほしい。
いつも斧戦士はどうやってしゃべってるんだ、とも思った。
「こんなこともあろうかと、必殺技を用意してきたよ」
「ほう」
「敵全体を攻撃するよ」
「ちょうどいいじゃないか」
「という訳で、このスティックを回す権利をあげよう」
「は?」
舟長はしばし戸惑った。
手にあるのは、ロボットの操縦桿かと見まごう棒。
これをどう回せって?
魔「ちゃんと回すとゲージがたまって、ビームが出るよ」
舟「どこのゲームを参考にしたんだ?」
魔「……特定のゲームじゃないけど、よくあるじゃん」
舟「いやビームが出るのは珍しくね? 普通は個々のオリジナル技が出るだろ」
魔「えっ!? ビームじゃないの!?」




