M-236 インテリアックス
インテリアックス
伊達斧
「ふはははは! 魔法を封じられた魔術師など、ただの木偶同然! いま、息の根を止めてやるわ!」
いつも通り、理由も分からないまま吹っ掛けられたケンカを買っていた魔法使い。
警戒していなかったわけではないが、今回は初手でこうなった。
すなわち、封印の状態異常にかかったのだ。
封印は、詠唱のあるスキル、魔法を使えなくする状態異常。
相手の言う通り、魔法使いは虫の息であった、かのように見えた。
「ふ、ふふふ。おもしろいことを言ってくれるじゃないか」
「なに……? 笑っているだと、馬鹿な。勝機はすでに潰したはずだ!」
「笑止! 作っておいてよかった……このスキル、きさまの身で試させてもらう!」
魔法使いの威勢に、おののく相手。
魔法使いは目を閉じ、スキルを発動させた。
浮かび上がるヴィジョン。
それは、おぼろげではあったが、透明な斧のように見えた。
魔法使いは命じる。
巨大な斧に怯える彼のもとへ!
「くらえ、インテリジェンスアックス!」
魔「インテリ系攻撃は、魔法攻撃に依存した物理攻撃なんだ」
斧「魔術師に物理技を持たせておいても、悪いことないぜ」
舟「そういえば、魔法使いって普通に物理スキルとか持ってるよな?」
剣「馬鹿、言ってやるな。相手の人が可哀想だろ」
ア「ソードじゃなくてアックスなところがこだわりだねえ」




