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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
240/527

M-233 ランダムヒール


ランダムヒール

使い道に困る




「作ってみたけど、これは没かな」


 リビングに現れた魔法使いは、まずこういった。

 経緯を知らない舟長たちは、おざなりな返事しかできない。


「お、おう」

「という訳でこれは舟長にあげる」

「要らないゴミを押し付けるな」

「だって、こないだは没魔法もらってくれたじゃない」

「こないだ? いつの話だよ」

「えーと、グラスカッターのとき」

「……芝刈り魔法のことか?」

「うん」


 素直に頷く魔法使いを見て、舟長は頭を抱えた。

 グラスカッターは18話目、登場人物紹介を抜けば17話目のお話である。

 現在の話数はいくつか。239話目だ。

 日数にして200日、六か月以上前のことを言われたって。

 舟長が唸っている間に、魔法使いの姿は消えていた。

 特に反対されなかったので、貰ってくれると思ったらしい。

 机の上に残った魔法陣を、舟長は拾い上げる。


「つっても、オレは魔法陣読めねーしな」

「斧戦士に聞いたら?」

「あいつ、魔法使いに関係ないことでも答えてくれるのか?」

「それは知らない」


 中身が分からないことには、使いたくない舟長である。

 魔法使いに聞くのが一番早いだろうが、わざわざ探すのは面倒だ。

 手っ取り早く、ウチで魔法陣が読めるもう一人のメンバー、斧戦士の部屋を訪ねる。


「これ、なんの魔法陣か読めねーか?」

「魔法使いさんに聞かなかったの?」

「いや、聞く前にいなくなってた」

「ふーん。どれどれ」


 案外ノリのいい斧戦士だった。

 今日は機嫌がいいのかな。


「だいたい分かった。これは回復魔法。消費SPは15。スペル名はランダムヒール」

「効果は?」

「使ってみればわかる」


 そこはめんどくさいのか、放棄する斧戦士だった。

 仕方なく舟長がすごすご引き下がると、扉の向こう側から声をかけられた。

 複数人で効果を試したほうがいいぞ。

 舟長は気付かなかったが、それは絶対内容を知っている人間の発言だった。






魔「次は何の魔法を作ろうかなあ。やっぱりヒール系?」

斧「おや。アサシンも剣士もいないのか。いまごろ舟長と検証中かな」

魔「ん、斧戦士さん、何か言った?」

舟「なんだこの魔法、使えねー!」

斧「なーんにも、言ってないよ」

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