表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
24/527

M-022 プルハンド


プルハンド

むしる手




「ふーははは、舟長、君の出番は今日で終了だ!」

「なにぃ、だがオレにはシステムという味方がある! オレをリーダーの座から引きずり下ろせるもんならしてみろよ!」

「あっそっちはまだ継続中です」

「そうなんだ」

「そうじゃなくて、シーフのリーダーにはお帰りいただこうと思ってな」

「一言でよろしく」

「盗み要らなくなる魔法作った!」

「なんだってー!!」


 時はお昼時。舟長の叫び声に、各自部屋の中で過ごしていた仲間たちが集まってくる。舟長を小突いて帰ろうとする仲間を魔法使いは呼び止めた。


「みんな、ドロップしやすくする魔法作ったよ!」

「な、なんだってー!!」

「ナンダッテ……」

「乗り遅れた……」


 斧戦士が空気を読み、アサシンが小声で反応する。剣士は足が遅いせいか、乗り遅れていた。

 この呼び掛けにより全員の足が止まり、さらに魔法使いの方に全員の視線が集まる。8つの目に見つめられた魔法使いがたじろぎ、斧戦士は目をそらす。


「あー、とね、あのね。確定で一個落ちるようになる魔法です」

「確一!?」

「モンスター一体につき必ずひとつの素材を落とします」

「マジで!?」

「そ、それだけです」


 転がり落ちるように魔法使いがステージから退場する。その隙に舟長は自身に回復魔法を施し、声を上げる。


「おい、待てよ。それだけじゃオレ(シーフ)を更迭するにはたりねーじゃねーか?」

「ど、どうしてさ」

「なんでどもって……まあいいか。最大四個素材がドロップするかもしれない可能性を捨てて、確一で一個しかドロップしない世界に移動するって言うんだろ。オレは賛同しねーな」

「可能性の話をするならドロップは二個まで落ちる。何も落ちないときもプラスになると思えば……魔法使いさん? どうした?」


 舟長と斧戦士がヒートアップするなか、魔法使いが控えめなアピールをした。気付くのは当然斧戦士だけ。彼は振り向いて、魔法使いの意思を確めると、自身と魔法使いの位置を交代した。これで舟長の前に魔法使いが来たことになる。

 ヒートアップしていた舟長はその間にクールダウンしてなんだか居心地が悪い。


「どうしたんだよ」

「ごめん! 舟長の言うとおりだ。少し言い過ぎたよ」

「お、おう。こっちこそすまん」


 初々しく謝る二人。そんな二人を残る三人は生暖かい目で見守るのであった。






魔「実際に使うと羽をむしるような仕草が入るよ」

舟「なにそれこわい」

魔「あ、舟長。ごめんのぉ」

舟「じいさんみたいに言うなよ」

魔「せめて婆さんと言え」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ