M-229 スーパーノイズ
スーパーノイズ
詠唱妨害
「くっ、やはり一筋縄じゃいかないみたいね」
「どうする、あの技を使うか?」
「……仕方ないわ。使いましょう。行くわよ!」
今日もほかの冒険者のかたから、ケンカを売られているスカイアドベンチャーである。
今回のお相手は、魔術師っぽい彼女と、寡黙な騎士っぽい彼。
魔術師っぽい彼女がスカイアドベンチャーから一歩離れる。
逃走する気か、とこちらの五人は一瞬気を抜くが、それは間違いだった。
魔術師っぽい彼女は、大きな魔法陣を背負って、詠唱を始めたのだ。
「まだ戦う気か!?」
「こちらも後には退けなくてな」
「ちっ、面倒な……」
「舟長、恐れることはないよ」
「そうだな。詠唱が終わる前に、二人ともたたっ斬ればいいだろう?」
「脳筋アタッカーめ。まあ、それぐらいしかやることはないな」
なんだかんだ言って、舟長も脳筋であった。
魔法使いと斧戦士の出撃を許可する。
魔法使いは地面に座って、なんらかの魔法陣を描き始める。
一方、ケンカっ早い斧戦士は、敵の騎士の前に立って武器を振り回した。
一撃、二撃、三撃……まだ帰ってこない。
「あれ、もはや嫌がらせの領域に入ってるよね」
「あの人、タフだな。身体も精神も」
「HPが高すぎるのか? もうとっくに倒れててもいい頃合いだが……」
いつまで経っても倒れない敵の様子に、斧戦士は一時帰還する。
不気味だった。
敵の冒険者は、自己回復をしている。
「よし、出来上がった! 行くよー、スーパーノイズ!」
「いまこそ出でよ、サンキャノ……きゃあ、なに!?」
彼女が言い終わるまえに、魔法使いの魔法が届く。
激しい耳鳴りに、彼女は屈し詠唱は途切れた。
魔「耳鳴りがうるさくて眠れないでござる」
斧「ちゃんとご飯食べた? 規則正しい生活してる?」
舟「それにしても、相手の魔法もすごかったな」
剣「サンキャノン……。つまり、太陽射出?」
ア「ギリギリ間に合って良かったよね……」




