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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
234/527

M-227 フルパワー


フルパワー

友だち百人以下ならイケる




「これは……また強固な結界で」

「誰? こんなことしたの」

「知らんけど、ただの魔術師にできることじゃないよな……」


 どっかの村の障壁を力づくで破壊したスカイアドベンチャー。

 何故か、その噂は瞬く間に世界中に広がり、現在彼らはこんな依頼を受けていた。

 スイサレストの盗賊を捕獲せよ。

 この盗賊は、近くの街の子どもを人質に、結界のある洞窟に立てこもっていたのだが。

 子どもがキーを持って脱走に成功したため、洞窟に囚われているらしい。

 ついでに、子どもは自力で両親のもとにたどり着き、キーをなくして帰って来たので、今、誰も盗賊を捕まえて罰を受けさせることはできないのだ。

 スカイアドベンチャーを除いては。


「これは五人では打ち破れないぞ!」

「ていうか、開けたら干からびた盗賊が出てくるんじゃないだろうな?」

「一月ぐらい前の話らしいね。子どもが出てきたの」

「しかも、その時点で盗賊が結構弱ってたから、脱走できたらしいし」

「いっそ無視して帰る?」

「帰ってもイベント進まないもんな。しかるべき力が備わるまでスルーするか」


 著しくやる気のない舟長である。

 たぶん、今回の報酬が低すぎたからダメなのだろう。

 そんな腑抜けたリーダーに活を入れようとする者がいた。


「待ったあ!」


 魔法使いさんだ。


「五人でダメでも、六人ならどうだ?」

「うちのパーティー、五人までしか入れないぜ?」

「問題ない。あと四人は水増しできる」


 斧戦士が自分の分体を呼び出しながら言った。


「三人だろ。あとの一人って誰だよ?」

「これ」


 ぽいっと、カプセルが放り投げられた。

 地面に接触するとカプセルは割れ、中から成人男性のシルエットが浮かび上がった。

 いつも酷い目にしか遭ってない、サンドバッグだ。

 名前からしてそうだもんね、仕方なかろう。


「よし、九人で総攻撃だ!」

「総攻撃……うっ頭が」

「もうそのトラウマは分かったから」

「サンドバッグ、一番威力の強いスキルを撃て」

「ふーん、いいけど、チャージに20秒くらいかかるぜ?」

「ウェイトインパクトかよ」


 きっかり20秒待ったスカイアドベンチャーは結界に臨む。

 お互いの技が交錯する!


「ばりーん! ……あれ?」

「壊れる云々のまえに、威力が高すぎて消滅したようだ」

「なんと」






魔「パスタも呼んで十人で総攻撃でもよかったなあ」

斧「アイツ呼んだら一人でいいと思うぞ」

舟「総攻撃……うっ頭が」

ア「そのトラウマ、根深いねえ」

剣「ちなみに盗賊はとっくの昔に死んでた」

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