M-225 ミュージックオン
ミュージックオン
音楽、それは……
朝。まだ、みんなが目覚める前。
「ミュージックオン!」
魔法使いはこっそり起き出して、魔法を唱える。
静かな音楽が流れだす。
朝の、まだ澄んだ空気。差し込んでくる日光。
眠りを妨げない程度の音量で、それはスカイアドベンチャーの家を包み込んだ。
「よし。もう一回寝よう」
昼。みんなが集まるリビングで。
「ミュージックオン!」
魔法使いは誰もいない台所まで避難して、魔法を使った。
楽しい音楽が流れ始めた。
ちょっとおどけた、ギャグっぽいところが、スカイアドベンチャーにぴったりだ。
魔法使いは満足して、リビングに戻った。
「よし。ご飯にしよう」
夜。再び、自分の部屋でこっそりと。
「ミュージックオン!」
魔法使いは、今朝と同じように内緒で、魔法の詠唱をした。
今度は、眠りを誘うような音楽をチョイスしたつもりだ。
波の音のような、雫の垂れるような音が、不規則に聞こえてくる。
魔法使いは布団に潜り込んだ。
「よし。おやすみなさい」
魔「うーん、よく寝た」
舟「なんだあのBGM。起きるわあんなん」
ア「そう? 急に流れてびっくりしたけど、朝起きるにはちょうどいいじゃない」
剣「オレは夜の曲が一番好きかな」
斧「今回、特に元になった曲はありませんよ」




