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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
230/527

M-223 ウェイトインパクト


ウェイトインパクト

最強の魔法?




「見つけたわ! スカイアドベンチャー!」

「見つけられてしまったぜ。ところで、おまえ誰?」

「ふふふ。わたしは――」

「あ、あの人、昨日、家の前でうろうろしてた人だ」

「ヤツは、クレア・スティール。冒険者ステイドールの刺客だ」

「ちょ」


 意気込んで名乗ろうとしたらこの仕打ちである。

 不審行為を見られていた上に、調べは付いているとか、もう負け確定だ。

 しかし、クレア氏は踏みとどまった。

 このまま、おめおめと帰る気分ではなかったからだ!

 このパーティーなら許してくれそうな雰囲気ではあったが。


「まあいいわ。もうそこまで知っているなら、遠慮はいらないわね?」

「攻撃してくる気か? おい、おまえら応戦準備だ!」

「常に戦闘できる状態なのに、カッコつけないでよ」

「人前だと張り切りたくなるときってあるよな」

「アサシン、剣士。あとで話がある」


 剣を構え、突撃する姿勢を見せたクレア。

 その対応がこののんびりさだ。

 クレアのボルテージが上昇する!


「馬鹿にして……食らいなさい! 急行星!」

「うわ、スピードヌターだ」

「わざわざ漢字表記にしたのに、可哀想だろ」

「スピードヌターは必中! よし、舟長に盾になってもらおう!」

「別にそのくらいはいいけど、おまえ何してんの?」

「ちょっと詠唱してます」

「ふーん」


 魔法使いの言を信じて、騎士のまねごとをする舟長。

 まあ、うちのパーティーは魔法使いも含めてみんな騎士になれるうえ、かばうスキルも身に付けてますけどね。剣士が倒れた時に備えて、斧戦士や舟長が、魔法使いを守護できるようにしてあるのだ。


「スピードヌター、あんまり痛くないな」

「そう? じゃあ、唱える魔法変えてもいい?」

「いいとは言ってないのに、詠唱をやめるな」

「……」


 舟長の制止も聞かず、魔法使いは別の魔法の詠唱を始めた。

 うごご、言葉とはなんのためにあるのか。


「チッ、ほんとに詠唱変えやがった。仕方ない。誰かオレにヒールかけて」

「やだ」

「めんどい」

「回復量低いけどいいなら」

「ちょ」


 協力的じゃないパーティーメンバーの様子に、舟長は絶句した。

 なにこのパーティー。

 いかん、オレの統率力が疑われてしまう……いや、そもそも統率力なんてあったっけ?

 自分の能力について疑問を持ち始めた舟長を置いて、戦況は加速していく。

 もはや、怒りが自分で制御できないほど追い詰められたクレアは、必殺のスキルを放った!


「ふっ。それならこちらも、最強の魔法で受けて立とうじゃないか!」

「最強の魔法? はったりね。そんなもの存在しないわ!」

「ないなら創るまで! これがスペルメイカーの戦い方だー!」


 うおおおお!

 気合を込める魔法使い。

 迫るシューティングスター。

 舟長は自力でヒールをかけてから、魔法使いに向き直った。


「それ、どれくらいかかるんだ?」

「あと20秒」

「無理言うな」


 シューティングスターは二人を吹き飛ばして、残りの三人のほうへ向かった。






魔「新たに魔法を作るにしては短いと思うのよ? 20秒」

斧「チャージが長すぎたんだ」

舟「放てていたら、ほんとにあいつのスキルを相殺できてたのか?」

魔「応ともよ! 相殺するどころか、そのまま突き抜けて城を壊していたと思われる」

舟「何の話だ、何の」

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