M-218 セットワープ
セットワープ
一度だけ使えます
暗い森のなかで。
スカイアドベンチャーたち一行は、クエストで対象になっていた迷いペットを探し当てた。
ペットの名は、ジュディちゃん。
ペットの正体は、モンスターのキメラだった。
「で、でかい……」
「首を斬り落として、主人に持っていくのはどうかな」
「そりゃあ軽くなるけど、二度とあの村に近寄れなくなるだろ」
斧戦士の刹那に満ちた発言は、舟長にスルーされる。
殺気立ち過ぎだよ、きみ。
「仕方ねーな。このまま探索して、ボスを倒して帰るのはやめるか」
「じゃあ、どうするの? このでっかいペットを、どうやってご主人様のもとへ届けるのさ」
アサシンが、輪投げの要領でキメラに縄をかけようとするがうまくいかない。
そんな状況のなか、舟長は冷静に魔法使いを呼んだ。
「魔法使い。ワープの準備をしろ」
「テレポーテーションね」
「はいはい、六人分のテレポーテーションで、オレたちを村へ送ってくれ」
「あれは五人までしか運べないよ?」
「……そこはなんともならんのか」
「うん」
思わぬ欠点に計画は頓挫したかと思われた。
しかし、この男が動く。
「じゃあ、おれは自力で帰るから、魔法使いさんとそのペット含めた五人で帰ればいんじゃね?」
「その手があったか」
「舟長、地味に自分がハブられるんじゃないかって思ってたでしょ」
「うるさい」
ともかく決定した作戦に、魔法使いがどうしていたかというと。
地面に魔法陣を書いていた。
それも、テレポーテーションとは違うもの。
舟長は、呆れつつもその行為を見守る。
テレポーテーションの膨大なSP消費を耐えられるのは、魔法使いだけ。
ご機嫌を損ねるようなことは、あってはならないのだ。
魔「よし、セットワープ完了! あとでここにワープしようね」
舟「マジで!?」
ア「今度は五人でテレポーテーションできる訳か」
斧「そういえば、なにも歩いて帰る必要はないのか」
剣「一人用の転移魔法、ワープの杖があるからな」




