M-212 ボムット
ボムット
発動したらグロ注意
「魔法使いさん、魔法使いさん」
「どうしたの? 斧戦士さん」
「ちょっと思いついたことがあるから、こういう魔法を作ってほしいんだけど」
「ふむ……爆発を起こさせる魔法具ね? 簡単、簡単」
斧戦士の意図などまったく知らず、魔法使いは、ジェムと呼ばれる魔法具のもとを取り出した。
「ちょっと待って。こっちに魔法を入れて欲しいんだ」
「これ、なに? ジェムじゃないね。なんか濁った色をしてるし」
「うん。これ、おれが開発したジェムのかわり」
「ふーん。エナフォ耐えれるかな?」
「まだいくつかあるから、やってみて」
魔法使いは素直にジェムのような、濁った石を受け取った。
それから、左手の手のひらに石を当てて、静かに唱える。
「エナジーフォース」
「……成功したみたい」
割れずに魔法を吸収したジェム(仮)は、赤く変色していた。
これは、なかに魔法が入ってるよ、と知らしめるものか。
魔法使いは感心した。
「これ、いいね! 魔法が入ってるって見て分かる!」
「そう? じゃあ、今度たくさん持ってくるね」
喜ぶ魔法使いに、斧戦士の口角も自然と上がる。
外は雨。
今日は、魔法日和。
魔法使いと斧戦士の内緒話は、昼間になるまで及んだ。
斧「こう、外で練習できない日に、魔法を作っておくのはいいことだね」
魔「晴耕雨読ならぬ……なんだろ」
斧「晴魔雨魔」
魔「それじゃ、ずっと魔法作ってるじゃない」
斧「実際、その通りじゃないか」




