M-211 ダブルフォーゲット
ダブルフォーゲット
史上最強の忘却魔法
「ダブルフォーゲ」
「言わせるか!」
「ええー舟長ひどいよー」
「ひどかねーよ、こんな人畜無害なオレに魔法かけるお前のほうがよっぽどひどい」
「それは言い過ぎなんじゃない?」
「そうだな、正直オレも言い過ぎた」
言い過ぎと判断されたのは、もちろん人畜無害がどうのこうのというところである。
似た者同士だもの。み○を。
「で、今日は何の魔法なんだ?」
「忘却魔法だよ」
「それはついこないだ、やっただろ?」
「ううん、これは史上最強の忘却魔法なの」
「史上最強の……? おい、試しに撃ってみろよ」
「舟長が自ら実験台に!?」
「被検体といえ、せめて」
胡散臭い謳い文句に釣られて、そう言ってみると、魔法使いはたいそう驚いたようだった。
当然だろう。
普段は、魔法をいかにかけられないかに命かけてるといっても過言ではない舟長が、挑発的にちょっと撃ってみろなんて言っているのである。
魔法使いは真っ先に、舟長のおでこに手を当てた。
「大丈夫? 風邪?」
「自分でも変なことを言ってるという自覚はある。風邪じゃない」
「もしや、タミフル的な感じでお薬の副作用ですか?」
「薬は飲んでないから、それはありえないな」
「ふむ……じゃあ、ほんとに試しちゃうよ?」
「オーケー。来い」
「何か重大なことでも考えてて。行くよ。ダブルフォーゲット!」
舟長に降りかかる魔法の粉。色は茶色がかった緑。
舟長は……。
「……」
「どう? 調子は?」
「きれいさっぱり忘れちまった」
「ほほー! やった! 成功だ!」
舟「急にホホウって言うから、フクロウかと思ったぞ」
魔「この人、なに言ってるの?」
斧「何かを忘れたということも忘れさせる忘却魔法は、実際最強」
ア「悪用しちゃダメだよ、斧戦士」
剣「悪用するなよ、斧戦士」
斧「いいもん、おれは別の忘却魔法持ってるもん!」




