M-209 ダブルシステム
ダブルシステム
という名の魔法です
「ダブルシステム! 舟長は分身する!」
「しません」
こんなアホみたいなやりとりを朝っぱらからしているのは。
そう、スカイアドベンチャー!
こいつらぐらいしかいない。
そして、言い出しっぺは魔法使いである。
いつものことだぜ。By剣士
「ダブルシステムという名の魔法を作ったのだ」
「そうか」
話は終わったとばかりに後ろを向く舟長。
しかし、当然、魔法使いは終わらせる気なんてさらさらなかった。
唐突に杖を振り上げたかと思うと、家のなかで魔法を唱えだした。
ずいぶん前から、舟長はそれをやめろと言い続けてきたのだが、効果がないことを知ってか、めっきり言わなくなった。
諦めたのである。
「ダブルシステム! ヒールバレット!」
「ん!?」
ピンク色をしたハートが舟長に吸い込まれていく。
二つ。
なんと、一度の詠唱で、二回のヒールバレットが発動したのだ。
舟長は目を見開く。
「まさか、そのダブルシステムとやらは……」
「次に唱えた魔法の効果を二倍にするよ」
「なんかのパクリか?」
「オリジナルです!」
疑いを捨てきれない舟長に、魔法使いは実力行使に出る。
「ダブルシステム! エナジーフォース!」
「ちょ、ま、待てって! 冗談……」
舟長に白い閃光が吸い込まれていく。
二回。白い爆発は二回起こって、舟長のHPをゼロにした。
魔「ちなみにスーパードリンクにダブルシステムすると、ポーションが二つ出る」
舟「なんだ、その……当たりが出たからもう一本、みたいなの」
ア「え? それとは違くない?」
斧「ダブルシステムは自販機だったのか」
剣「自動販売機とか、世界観を無視した発言が出るのも、いつものことなんだぜ」




