M-207 スーパードリンク2
スーパードリンク
落ちてるものを食べるのは危険
「できたぞー!」
机の上に、一つの瓶。
瓶の中身は、メロンソーダみたいな色合いの液体が入っている。
けっしてピンク色ではない。
「飲んで。舟長」
「オレは死にたくないです」
「ピンク色してないから大丈夫」
「どんな理由だ」
「以前にも、ハートマジックで飲んだじゃん」
「あれは、おまえが事前に言わないから飲んじゃっただけだ」
なにがなんでも抗いたい舟長である。
以前の体力が減るポーションは緑色をしていたから、警戒しているのかもしれない。
あれは怪しい露店で買ってきたものなので、もう在庫がないのだ。
副産物という形ではあるが、スーパードリンクの魔法によって類似のアイテムができたことに、魔法使いは喜んでいた。
「とにかく、飲んで!」
「ほんとに大丈夫なんだろうな!」
「それは知らないけど」
「おい!」
さっき、アサシンとつまらないケンカの末、ボコボコにされた舟長は体力が減っていた。
残りHPは半分よりも少ない。
この状態で下手にポーションなんて飲めば、一発でお陀仏もありえる。
しかし、目の前に立つのは、最高のヒール使い、魔法使いである。
こいつが後処理をめんどくさがったりしなければ……蘇生はしてもらえるはず。
もんもんと悩む舟長の前に、斧戦士がふらりと現れた。
「なにこれ?」
「舟長に飲ませるポーション」
「どんな効果?」
「HP大回復と一部ステータス大アップ」
「なんで舟長は飲まないの?」
「知らない」
「じゃあ、これ、おれが飲んでもいい?」
「いいよ。はい、どうぞ」
舟長が逃げる態勢になった。嫌な予感がする。
「体力が回復して、攻撃力があがったぞー!」
舟長は斧戦士に切り裂かれて死んだ。
逃げきれなかったのだ。
魔「ちなみに二割アップです」
ア「大アップ……?」
剣「でも、斧戦士の攻撃力って700いくつだろ?」
斧「750くらいだよ」
舟「750×1.2=900ですね。わーつよーい」




