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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
203/527

M-198 イメージネイション


イメージネイション

なんちゃって幻覚




「アサシンちゃん! ちょっと手伝って!」

「いいけど、何するの?」

「ちょっと水路を再現する!」


 水路を再現する……?

 魔法を再現する、と言っているのは何度も聞いたことがあるが。

 水路ってなんだっけ。

 真剣に考えてしまったアサシンである。


「とりあえず、連れて行こうか。フローラ!」


 アサシンは一度、自分の部屋まで上がると、名前を呼んだ。

 声に釣られて飛び出してきたのは、エリマキトカゲのフローラ。

 アサシンが飼っているペット兼相棒だ。

 フローラを頭の上に乗せると、アサシンは窓を見た。

 魔法使いが、家の前の原っぱで手を振っている。


「今行くよ」


 普段はやんちゃな舟長や剣士をたしなめる立場にあるアサシンだが、その性質は彼らと似通ったもの。

 窓を大きく開けると、アサシンはふわりと宙に浮いた。

 それから、服の重力を完全に無視しながら、魔法使いのそばに降り立つ。


「水路って言ってたけど、なんで?」

「ちょっと舟長に泳いでほしくて」

「ふーん。新しい魔法で使うんだね」

「そうなの。一応、この地下神殿の水路を再現元にしようかと」

「好きだねえ」


 アサシンは呆れた声を出す。

 新しい魔法をお披露目するたびに舟長が犠牲になることもそうだが。

 なにより、再現元になっている水路の画像。

 これは、確か、魔法使いが一番好きだと言っていたゲームの攻略本に載っていたもののはずだ。

 わざわざコピーして渡してくる魔法使いの情熱には、ため息をつかざるを得ない。


「行くよー。イメージネイション!」

「いまじ……ちょっと待って! いまなんて!?」

「イメージネイション」

「それが新しい魔法の名前なの?」

「うん」


 まったく疑問を抱かない魔法使いの様子に、アサシンは。

 誤魔化す方針で決めた。


「ううん、なんでもない。じゃあ、再現する水路の映像をしっかり頭に浮かべてね」

「うん!」

「イメージネイション!」

「イメージネイション!」






斧「一応、フォローをしておくと。魔法使いさんはノータリンじゃあありません。そこんところを間違えないように。いいね?」

魔「イマジネーションなんて普遍的な名前の魔法、もう開発が済んでるよ、絶対」

舟「でも、名詞に名詞化するやつが付くのは変じゃね?」

剣「独自性は出てると思うぜ!」

ア「ちなみに、ノータリンは脳足りんのことだから。まあ要するに……馬鹿じゃないよってことね」

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