M-193 バチバチクリア2
バチバチクリア2
その存在を否定する
「おらあ! 舟長はいねがー!」
なまはげの如く、声を荒げて家探しする影。
夕日の中の影は……。
たいへんだ! あたまが▲になってる!
そう、この声の持ち主は、三角帽子がトレードマークの、魔術師。
魔法使いさんだ。
「舟長? ごめん、知らない」
「そっかあ」
「舟長を探してるのか。オレも手伝うぜ」
「ありがとう」
剣士を引き連れて二階へ。
呼んでもないのに、斧戦士が部屋からぴょこっと頭を出した。
「斧戦士さん」
「みなまで言わなくていい。この斧戦士さんが舟長の居場所を占ってあげましょう」
「おまえはいつから占い師にジョブチェンジしたんだ?」
「さっき。……舟長は、一階の倉庫でガタガタ震えています」
「なんと。さっそく行ってこよう」
ありがとう、斧戦士さん。
斧戦士の情報を頼りに一行は拳を振り上げ、目的地に向かう。
そこには、すっかり諦めきった表情をした袋のネズミが……げふんげふん。
逃げられなくなった舟長がいた。
「はいはい、実験台になればいいんだろ」
「バチバチクリアが完成したから、使ってみて」
「……バチバチクリア」
観念した舟長はスペルを唱える。
それから恐る恐る近くの金属っぽい物体に触れた。
バチン!
すさまじい音がして、倉庫のライトが消えた。
「……痛くはないな」
「見えなーい」
「ライトフラッシュ。魔法使い、これで見えるだろ?」
魔「電気系の魔法を全部除去する魔法ができました」
舟「静電気とはいったい……」
剣「ついていったはいいけど、セリフがなかった」
ア「ちょっと、電気まだ直ってないんだけど!」
斧「なんでだろうな。ブレイカーはどこだ?」




