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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
191/527

M-186 マジックエスケープ


マジックエスケープ

脱出魔法




 迷宮ダンジョンから正規方法で帰還したスカイアドベンチャーは、このダンジョンの危険性を伝えるべく、行動を開始していた。

 舟長は、作ったマップを共有させるために冒険者ギルドへ。

 剣士とアサシンは、今からダンジョンへ向かう人に注意喚起を行っている。

 そして。

 魔法使いと斧戦士は、飛行船のなかで魔法を作っていた。


「要はエスケープキャンディがいくつかあればいいんだけど」

「問題はアメも舐めれない人が大半ということだな」

「うう、どうしよう。助けられなかったら……」

「そのときはリバイブでもなんでも、蘇生法を試せばいい」

「う、うん」


 斧戦士のことばに決心を固める魔法使い。

 絶対にあの人たちを助けてみせる。

 だから、どうか。死なないで。


「さあ、作るよ」

「魔法具にする?」

「そうだね。食べれる魔法具より使う魔法具のほうがいいよね」

「そうだな。キャンディも噛み砕けない連中がほとんどだ」

「だったらジェムだね」

「ああ。数は用意しておく。魔法使いさんはじっくり魔法のことを考えてくれ」

「実は、構成だけは昨日の夜に作ってあるんだ」


 魔法使いは、真っ黒になった魔法陣を取り出した。

 だが、起動してない。

 うまく発動してくれないようだ。


「魔法使いさん、ひとり分でいいんだ。ここの記述はいらない」

「え? ああそうか。ここが被ってたんだね」

「あと、この効果範囲もこのぐらい小さくていい」

「でも、身体の一部しかカバーできないよ?」

「問題ない。首から下げてるギルドカードに反応すれば、ちゃんと転送される」


 斧戦士がそう言い切ったので、魔法使いは素直に信じて、魔法陣を改造していく。

 記述がだんだん少なくなっていく。

 ジェムと呼ばれる魔法具のもとは、込める魔法に限界がある。

 こんなに記述が重い魔法を入れようとするならば、目的の人々に届く前に砕け散ってしまうだろう。

 それでは意味がない。


「とりあえず、半分になったぞ」

「発動できるか試してみる?」

「マジックエスケープ! あ、いけ――」


 魔法使いが消える。

 エスケープキャンディで移動するのは、最寄りの街。

 マジックエスケープで転移するのは……?

 斧戦士は、誰も見ていないのを確認して、黒いもやを出した。


「魔法使いさんの捕捉を。急げ」


 ぽこんと飛び出た黒いスライムや、斧を持った男が徒歩ででかけていく。

 斧戦士はそれを見送って、自身も動き出す。

 一番可能性があるのは、スカイアドベンチャーの全滅時の転送先、ブツニの村。

 ほどなくして斧戦士も飛行船から消え失せた。






ア「無事にみんな助けられたね!」

魔「市長さんからトロフィーもらったー」

舟「はあ。とりあえず一件落着か。魔導都市の大迷宮が封鎖された理由が分かったぜ」

斧「あとはエスケープキャンディの会社からケンカを売られないか心配だ」

剣「とりあえず、この感動的な話には首突っ込まないだろ」

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