M-180 ドリームオーブ
ドリームオーブ
夢の世界へ
「うん。ネタがなかったんだ」
魔法使いは開口一番にこう言った。
言われた舟長は、なんと反応していいか分からず、ただ、お、おうと返した。
「ドリームオーブをくらえ!」
「なんか色々やけになってるみたいだけど、とりあえず落ち着け!」
「ふんがー」
突然、突進攻撃を仕掛けてきた魔法使いに、舟長は華麗に避ける。
魔法使いはつんのめって転んだ。
「いたい……」
「斧戦士に殺されそう」
「ヒール」
「あ、治ったか?」
「うん」
魔法使いは、ウィザードローブに付着したほこりを払い落し、改めて言った。
「ネタがなかったんだ」
「それは分かったけども」
「ドリームオーブ!」
「な、家のなかで魔法を放つのはやめ……ろ?」
「これを20秒間見つめるのだ」
「催眠術か何かか」
「いいから!」
珍しく押しの強い魔法使いの様子に、舟長は従うほかない。
20秒経った。
なにも起こらない。
「あれ? 設定ミスったかな」
浮かぶ指輪の幻影。
魔法使いはそれを見ながら杖を向けてカチャカチャいじっている。
舟長は思った。
部屋に帰ってもいいか?
舟「もしかして、これもワイエースのシリーズからか?」
魔「うん」
舟「そうすると、もしかして成功してたら、音楽や画像が見られたり……」
魔「できません」
舟「これ、ただの睡眠導入魔法じゃねーか!」




