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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
180/527

M-176 クロスレイ


クロスレイ

探査魔法




 ええっと、どこに置いたかなあ。

 なんて呟いているのは、スカイアドベンチャー1のアタッカー、魔法使いだ。

 彼女は現在、家のカギを探している。

 昨日、本を読んでいるときにしおり代わりに挟んだのはいいのだが、どれがその本なのか分からなくなってしまったのだ。

 机に出ている本は三つ。

 これだけ少ないなら手動で探せよ、と思うかもしれないが、ここで素直でないのが魔法使いという女性である。

 新作魔法を作るいい機会だと思って、机に座った。


「さあて。作ろう」

「魔法使いさん、ご飯だよ」

「もうそんな時間だったのかー、よーし、これは後にしよう」


 机に座ったとたん、斧戦士が顔を出して言う。

 そこで魔法使いはぐずったりしなかった。

 そこは素直に従うのが、魔法使いのポリシー。

 ご飯は大事。


 さて、翌日。

 今度こそと意気込んで、魔法使いは机に座った。

 とりあえず、誰も来ていないことを確認して、魔導書を開く。

 魔導書というと固い印象があると思うが、要は学園の教科書だ。

 魔法の簡単な作り方と、いくつかサンプルになる魔法が紹介されている。


「探検魔法はどこだったかな」


 目次から索引してページを見つけようとする魔法使い。

 しかし、残念。

 探検魔法という項目やカテゴリーはないようだった。


「ええ、じゃあ、冒険魔法だっけ?」


これでもないらしい。


「次は……、んーと、辞書!」


 辞書で類義語を調べるつもりらしい。

 もう、めくって探した方が早くない?


「調査魔法でもないし、捜索魔法でもない……」


 片っ端から調べる魔法使い。

 だから、もうページをめくったほうが早いよ。


「探査魔法とかないよね」


 諦めつつ、見つけたその単語は。

 索引で煌めくように眼が吸い寄せられる。


「あったー!」

「あった? 良かったね」

「ふひょお! お、斧戦士さんいつからそこに……」

「いま。声かけたけど、返事がなかったから来たよ」

「あ、そうなの」

「おやつの時間だから呼びに来た」

「……! おやつー!」


 広げていた魔導書を放り出し、魔紙を放置して魔法使いは階下へ。

 斧戦士は横を駆け抜けていった魔法使いの後ろ姿を見送る。

 もう少し、じっと眺めていたいところだけど。

 斧戦士はかんたんに机の上を整理してから、魔法使いの後を追った。






魔「でけた」

舟「おめでとう」

魔「カギも見つかったし、この魔法は要らないかな」

舟「魔法使い、この本にクロスレイをかけてくれないか」

魔「いいよー」

ア「ちょ、それボクのへそくり入りの本!」

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