表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
176/527

M-172 パワーカウント


パワーカウント

変数入力




「あなたの能力、数えまーす」

「なんだ、その売れない占い師みたいな発言は」

「む、舟長。これ、商売にしたらウケないかな?」

「まず、能力を数えるってなんだよ」


 占い師みたいな黒いローブをはためかせて言うのは、魔法使い。

 そんな彼女に、的確なツッコミを差し込んでいる人物こそ、舟長。

 スカイアドベンチャーのリーダーだ。


「スキルの数を数えること」

「それ、何の意味があるんだ?」

「これから、我々と同じようにジョブを変えて戦う冒険者が増えれば、スキルも多様化する」

「それは分かる」

「いずれ、スキル数で優劣を競う時代が来るはず」

「ずいぶん飛躍したな」

「よって、スキル数え屋は必要」

「ちょい待て」


 舟長は黙っていられなくなった。

 ツッコミどころが多すぎる、この仲間の発言に、自らの役目を思い出したのだ。

 そう、舟長はツッコミ役。ボケてはならない!


「たとえスキルの取得がやたら多い時代になったとしてもな? どんなスキルを使えるかが問題であって、スキルの数はそう自慢にはならんだろ」

「そうかなあ。基礎スキル全部取りました、総数53ですって言われたら、インパクトない?」

「53とはまた微妙な」

「わたし、いくらスキルや魔法が発明できるからって、530000もスキルないと思うんだ」

「そういう意味か」


 納得した舟長は、その点への追及をやめにする。

 引用になに言ってもしらけるだけだ、と彼は知っているのだ。


「じゃ、なんだ。今日作ったのは魔法具のほうか?」

「ううん。魔法」

「おい、それじゃ商売にならんぞ。どうせ、誰でも唱えられるようになってるんだろ?」

「うん。けど、効果対象に自分を選ぶことはできないのだ」


 自信満々の魔法使い。

 どうやって説明したら、腑に落ちてくれるだろうか。

 止める方法を考えながら、舟長はとりあえずこれだけ言った。


「……まだ、時代が到来してないから店を出すのはしばらく後な」






魔「ジョブチェンジすると強くなれるのに、どうして誰もやらないんだろう?」

舟「ジョブ変えるごとに装備品が変わるからな。それを整える金がないんだろう」

魔「拾えばいいじゃない。ダンジョンの宝箱をあさればいいじゃない」

舟「あさる言うな。だいたい中堅冒険者ならともかく、始めたばっかのやつにできるか!」

魔「じゃあ、中堅冒険者はなんでやらないの?」

舟「めんどくさいんだろ、築き上げてきた自分のやり方を変えるのは」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ