M-170 リバーサブル
リバーサブル
特殊・状態異常:反射
「リバース!」
「……フロストダスト!」
「詠唱をずらした!?」
リバースの効果は、発動されてから対象者にたどり着くまでの魔法を反転させること。
対象者がそれまでの間、魔法を放たなければ、リバースの効果は消えてしまう。
「これで終わりだね!」
「まだまだあ! エナジーフォース!」
「ええ!? 今日はリバース以外は使わないんじゃ――」
「しまった」
ブブーと装置が鳴る。
今宵の勝負は、魔法使いの反則負け。勝ったのはアサシンであった。
「もう、おっちょこちょいだなあ」
「リバースが効かないなんて」
「あのねえ、これは最後の切り札としてとっとくの。そう何度も使う魔法じゃないんだから」
「むー」
「いっそのこと、リバースのあとに放たれた魔法はみんな反転するようにすれば?」
「それができないの。記述の関係か、発動しなくなっちゃうの」
魔法使いはしょんぼりしている。
試合を見ていた斧戦士も、いいアイディアがでないらしく難しい顔のまま。
そんなとき、剣士がふと言った。
「効果が魔法同士交わる一点だなんて不便だな。相手を反転状態にするのじゃ駄目なのか?」
「相手を反転状態に?」
「状態異常みたいに、次放つ魔法だけを反転させるんだ。三ターンとか持つ設定でもいいな」
「相手をリバース状態にさせておくってこと?」
「オレは魔法陣のこと、なんにも分かんねーけど、自分の魔法まで反転するのは危ないんじゃねーの」
舟長も口を出した。
魔法使いはしばし考える。
やがて、口元が緩んだ。
「……状態異常:反転だ」
魔「リバーサブルの霧に晒された者は、反転の状態異常になる!」
舟「おい、妙にテンション上がっちゃったぞ」
ア「夜中だからじゃない? 深夜テンション」
斧「魔法使いさん、それは明日にして今日はもう寝よう」
剣「強引に連れてかれたぞ、いいのかそれで」




