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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
172/527

M-168 リバース


リバース

絶対近寄らせないマン




「なんかチートっぽい魔法できた」

「どんなだ。見せてみろよ」


 じゃあ、と魔法使いが差し出したのは杖。

 何をしろと言われているのか、付き合いの長い舟長には分かった。

 相変わらず言葉の足りないヤツだ、と思いつつ、杖を返却して、外に向かう。

 今日はいい天気……ではない。

 太陽は雲に隠れて見えないし、雨は降ってないものの強い風が吹いている。

 舟長は魔法使いからかなり離れて、詠唱を始めた。


「……何でくるかな? 何でくるかな?」


 この風のなか、かなり距離を置いた。

 魔法使いに、オレがなにを詠唱しているのかは分かるまい。

 まったく警戒していない魔法使いを、舟長は苦々しく見る。

 それとも、その反則っぽい魔法はなんでも無効化する魔法だというのか?


「フレイムフィールド」

「リバース」


 舟長が詠唱している間、魔法使いも詠唱をしていたらしい。

 魔法の発動はほぼ同時だった。

 舟長の魔法の効果は、足止め。

 全体炎魔法が対象の相手の周りに展開され、身動きを鈍らせるもの。

 始め、炎は魔法使いに向かって飛んでいった。

 しかし、1/3もいかないうちに、舟長のほうに戻ってくるではないか。


「ちょ」


 舟長はあわてて距離を取る。


「うはは、どうだね、自分が撃とうとしたものに狙われる気分は」

「ラ〇ュタの人みたいなセリフだな」

「なぬ、余裕……というか、あんなおっさんと一緒にするではないわ」

「おっさんってほどおっさんじゃないだろ」

「いやおっさんだ」


 事前に避けたので、炎に巻き込まれることはなかった舟長。

 少し驚いているようだ。

 そんなリーダーに魔法使いはご満悦。


「ところでさ、この炎、消した方がいいよな」


 燃え盛る炎。

 魔法使いはじっと炎を見つめている。

 炎は地面の枯草を燃料に、どんどん大きくなっていく。


「ええと……れ、レインドロップ……」

「もう間に合わねえよ! ギガウェイブでも使えって!」






魔「舟長が腕を引っ張ってくれなければ、火傷するところだった」

舟「火傷なら状態異常だし、あとで治せるからいいだろ」

魔「よくない! 痛いのイヤ!」

舟「じゃあ、眺めてないで消火活動すればよかっただろ!?」

魔「うわーん、舟長のバカー!」

斧「……泣かしましたね?」

舟「いや、えっ、ちょ」

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