M-161 セーフティーガード
セーフティーガード
刃を保護して安心・安全
「まだまだ抗うよ」
「なににだよ」
唐突に――魔法使いにしてはまったく珍しいことではないが。
突然、徹底抗戦を宣言した魔法使いを、舟長が胡乱な目で見ている。
こういうことは割とよくあるのだが、いつもオチは舟長の実験台オチである。
マンネリ化する終わり方に、舟長は物申したいところがあった。
「あのな、魔法使い」
「あのね、舟長」
稀によくあることだが、二人の発言が被った。
少し考えて、舟長はレディに発言を譲る。
こういうときは、女性陣に逆らってもいいことなしだからだ。
「セーフティーモードを改良しました!」
「そうか! それで?」
「鞘のある武器は抜けません! 刃の出ている武器はガードされて触れなくなります!」
「おう、そうか。杖とか鈍器とかはどうするんだ?」
「ふっふっふ。抜かりはないぜ」
「そういうのいいから。はやく」
「全体的に凍結されて、自動的に背中にくっつくよ」
魔法使いがくるりと後ろを向いた。
普段、金色の輝きを見せる杖は、青いレースのようなものに覆われていた。
斧「いいねえ。これなら袋いらず!」
ア「初心者だろうが、達人だろうが、関係なしってことだね」
舟「これって全国の街や村に提供されてるんだよな?」
魔「そう! 使ってくれると嬉しいけど、どうかなあ」
剣「いま、店でのトラブルとか多いからな。使えると思うぜ」
舟「そういえば、これで魔術師系の対処法はできた訳だが」
魔「む?」
舟「拳が武器の人はどうするんだ?」
魔「……自制心を持っていただくしかないね!」
舟「拳闘士が最強の世界かあ」




