M-158 クエイク
クエイク
欲望おもむくままに
「今日は作らないよ、魔法」
そう宣言する魔法使い。
魔法作ったよーと報告することはあれど、こうも完全拒否しているのは珍しい。
その場にいた舟長とアサシンは首をかしげた。
「作りたくないのか、作れないのか、どっちだ?」
「この様子、作りたくないほうでしょ」
「わたし、そろそろネタ切れでさ、ちょっと違う世界の魔法概念を勉強してみたのよ」
なんかむつかしいことを言っているか、要は小説やゲームの魔法をパクってきたということだ。
異なる世界観やオリジナリティあふれる魔法を再現しては、魔法作ったよと威張っているのが、我らが魔法使いさんなのだ。
「で、どうだったんだ?」
「これ、忘れてました。欲棒あふれるままに作られるR-18魔法」
「グロ? グロ?」
「嬉しそうに言うな」
いつの間にかやってきていた斧戦士が、とんちんかんな回答を寄越す。
正解は……もちろん、違う。
肝心のところを口に出せない魔法使い。
アサシンが、しびれを切らしたように言う。
「要はバイブでしょ?」
「この小説は健全ですか?」
「聞くな。あと、そういうこと言うな」
注文の多い舟長である。
「おまえのエロ魔法、エロエロビームとブロックぐらいだもんな」
「小学生レベルで悪かったな!」
「魔法使いさんストップ、ストップ。この世界、小学生の概念がない」
デジャヴを感じたひとは、サイレンスの項を確認だ。電話がどうの、って書いてあるから。
「わたしはそういうの、作らないから。絶対」
「作れとは言わねーよ。第一、使うやつがいないからな」
「……サンドバッグに進呈するとか」
「やめてやれよ」
「あの人はノーマルサンドバッグさんだろ」
「可哀想にもほどがあるよ」
「どう使うの?」
四人の反対と疑問に斧戦士は考えを改めた。
「やめることにしました」
斧「……これ、使う?」
?「え、なにこれ。すりこぎ?」
斧「魔力流すと使えるよ」
?「ええー、なんかやな予感が……あ、こら帰んな! ちょっと!」
★しばらくお待ちください★
?「………………。うん、どうしろと?」
舟「で、結局うえに浮かんでたクエイクはなんだったんだ?」
魔「適当な棒状のものにクエイクを込めて魔法具にするとアレになる」
舟「ああ、そういう。なにがなんでも言いたくないのか、こいつ」




