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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
158/527

M-154 マジックオフ


マジックオフ

オン・オフではっきり!




「そういえば、魔法使いちゃん。このあいだの防音魔法に使った魔法具見せて」


 アサシンがそんなことを言ったのは、夕食終わりの暇な時間。

 防音魔法ノイズレスが完成して、一週間ほど経っていた。


「ほい」


 魔法使いは白紙の短冊を無造作に投げてよこした。

 アサシンは注意深く観察したが、ただの紙にしか見えない。

 魔法具という言葉を否定しなかったことから見るに、なんらかの魔法がこめられているはずだが。


「これ、何の魔法が入ってるの?」

「マジックオフっていう魔法」

「なにそれ?」

「ええっと、近くで魔法が使われているときに文字が出て、遠ざかると消えていく魔法だよ」

「それって地味にすごくない? 魔法使いちゃんが作ったの?」

「地味にって言うな。まあ、本に書かれてたのを再現したんだけどね」

「へえ」


ガールズトークで盛り上がる女子二人を横目に見つつ、舟長は言った。


「で、デメリットは?」

「魔法使いだってデメリット関係なしにいい魔法を作るときはあるだろうよ」


 剣士に諭されても、舟長は眉一つ動かさなかった。

 魔法使いの次に一番魔法に詳しい男を見つめる。

 斧戦士は、笑顔の魔法使いからしぶしぶ視線を外すと、小さな声でノイズレスを唱える。


「かかってることしか分からないんだよ、魔法使いさんのマジックオフは。本来のマジックオンはいくつかかっているか、安全なものか危険なものか判別できたというが、これは眉唾だな」

「ああ、そういう……」

「ところで舟長。魔法使いさんをけなした罪を清算してもらおうか?」

「お、おい、待て! 魔法使い、斧戦士を止めろー!」

「ノイズレスで聞こえてないから無駄だよ」


 舟長は死んだ。





剣「さっそく悪用し始めたぞ、あいつ」

魔「なんのこと?」

ア「……詳しく説明するとボクの命も怪しそうだからやめとく」

舟「誰か蘇生してくんない?」

斧「おれの中途半端リバイブを食らう?」

舟「いえ、しばらくこのままでいいです」

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