M-148 クイズタイム
クイズタイム
制限時間以内に答えろ!
「エナジードレイン!」
「ヒール!」
魔術師同士の戦いというのは、どうも、こう、泥沼化しやすい。
見栄えだけ綺麗な魔法や、威力だけ強い魔法。
一瞬で終わるか、延々と続くか。
今日の魔法使いの戦いは、後者だった。
「マナドレイン!」
相手が悪かった。
彼女の対戦相手は、魔術師としては異端な吸収攻撃使い。
エナジードレインで敵のHPを減らしつつ、回復。
SPがなくなったら、消費SP1のマナドレインで回収。
魔法使いが回復魔法を扱えず、SPが自動回復する杖を持っていなかったら。
きっと勝負はとうに着いていただろう。
「く、だったら……」
「エナジードレイン!」
鉄壁に見える吸収攻撃だが、突破口はあった。
いくら異質な攻撃と言えど、カテゴリーは魔法。
魔法を禁止する沈黙か、スキルすべてを使用不可にする呪縛の状態異常をかければ、相手のしつこい攻撃をやめさせることができる。あとは、魔法使いお得意のエナジーフォースを放てば、終わりだ。
しかし、魔法使いはそうはしなかった。
「クイズタイム!」
魔法使いと対戦相手の女の子の背中に、魔法陣が浮き上がる。
いくつも、いくつも。
数十個浮き上がった魔法陣から声が聞こえてきた。
世界観を著しく崩しそうな、機械的音声。
彼は、対峙する二人にこう問うた。
《スキル辞典、300ページに載っている魔法の種類は、回復か否か》
魔「制限時間以内に答えて正解だった場合に、任意の魔法を放てるよ」
ア「もし不正解だったら?」
魔「魔法を唱えても発動しないね」
剣「魔法を……ってことは、スキルはどうなんだ?」
魔「いつも通り使えるよ」
舟「……相変わらず、妙なところで欠点ありだな」
斧「めちゃめちゃひっかけ問題出したい。ケムシはチョウチョになるか否か、とか」
魔「間にサナギが入るから不正解なんですね、分かります」




