M-146 セーフティモード
セーフティモード
村や街では武器をしまおう2
「前回が散々な結果に終わったので、今回はこうしてやりました。ザ・武器をしまう魔法!」
やややけくそ気味に、魔法使いは机をぶったたきながら言った。
右手がじーんと、痛む。
魔法使いは痛む手をじっと見つめた。
「おう、ヒールで治してやるから続き、話せよ」
「舟長は知力足りなくて回復量ないから、ボクがヒールするね」
「もののついでにディスられる舟長である」
「かわいそーだなあ」
「剣士、テメエ……」
アサシンのヒールでHPが満タンになった魔法使い(もとからHPは満タンである)は、再び強気な表情をしてこう言った。
「セーフティモード!」
詠唱がほとんどない魔法だった。
当然の如く誰の許可もなく放たれた魔法は、舟長へ向かう。
舟長は知ってたと言わんばかりに避けようともしない。
「どうだね、舟長?」
「うわあ、身体が勝手に動く」
舟「武装解除だから、武器が消えるのかと思ったぜ」
魔「それだと武器がどこに行くのか不安でしょ? だから、冒険者なら誰でも持ってるバッグや倉庫に入れることにしたの」
剣「誰でも持ってるって……、新米のころなんか高くてあんなの買えないぞ」
ア「新米ならいいじゃない。たいした戦力持ってないんだから、物理的に武装解除しちゃえばいいよ」
斧「あと残るは、素手で戦える連中と魔術師だな」




