M-132 リジェネブレイク
リジェネブレイク
ゴリ押し
「なんだこいつ……いくら攻撃しても倒れないぞ!?」
舟長が驚愕の余り、攻撃の手をやめて叫んだ。
全力で攻撃しても敵は一向に倒れないのだ。少しくらい手を休めても問題ない。
一番足の遅い斧戦士がクリティカルを発動して帰ってきたが、いまだ敵は健在のままだ。
「リジェネがきついよ……」
「オートヒールって言え!」
「こんなときでも怒られた!?」
魔法使いがこぼした愚痴にも反応する舟長。
そうね、この世界ではリジェネとリヒールはないんでした。
その割には、普通にリジェネって魔法の名前に入ってるけど。
「ここはわたしの新作魔法にまかせて!」
「なんかごく最近似たような展開を見たような……?」
「ヒント:クロスガード」
「ああ! あれな!」
雑談する四人を尻目に、魔法使いは詠唱を始める。
魔法使いにしては長い詠唱だ。
もしかして噛み噛みでなかなか詠唱が進まないとか?
四人の心配をよそに、魔法使いはとうとう前を向いた。
「リジェネブレイク!」
魔法の粉が五人に降りかかった。
魔「強化魔法です」
ア「てっきり新しい攻撃魔法かと思ったけど、違うんだね」
斧「……ええっと、クリティカル率アップと移動速度アップ?」
舟「まさか、攻撃回数を増やして、クリティカルでダメージの増加を狙うのか」
魔「これでも倒せなかったら全滅して村に帰りましょう」
剣「完全にやけくそじゃないか」




