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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
135/527

M-131 ハートチェンジ


ハートチェンジ

傷を移動させる




「今日の魔法は……これ! ハートチェンジ?」

「心……変え?」

「和訳するとあれだけど、この魔法は回復スキルの一種なんだよ」


 魔法使いが特に脈絡もなく喋り出す。

 よくあることなので、舟長始めとする他の四人は動じなかった。

 斧戦士が聞く。


「回復魔法ではないのか?」

「回復魔法を使う前の準備、かな。試しにやってみるから、見てて」


 そういうと彼女はいきなりナイフの刃を右手で握った。

 血が、ぽたぽたとしたたり落ち、魔法使いは痛みで涙目だ。

 痛みの余り、ナイフを放り出す魔法使い。

 血のついたナイフが床を転がっていった。


「おいおい、大丈夫か?」

「いたいー」

「だよな……ヒールを、と言いたいとこだが、まずはその魔法を試してみたいんだろ?」

「うん」


 魔法使いはしゃくりあげると、無事な方の手で斧戦士を掴んだ。

 手伝って。 分かった、何をすればいい? そこにいて、右手を上にかざして。

 斧戦士が半信半疑の表情で手を掲げると、魔法使いは息を吸った。


「ハートチェンジ!」


 魔法使いの右手から傷が消え、斧戦士の右手から血が流れ始めた。






魔「いたいの、治ったよ」

舟「つまるとこ、なんだ? 傷あとを誰か別の人に移すって魔法なのか?」

魔「古傷とかは無理なんだけど、生傷なら、手をつないでる人に移すことができるの」

剣「実際の利用法としては、どんな感じなんだ?」

魔「例えば……わたしが致命傷を負ったとするでしょ? そんなとき、一番体力の多い剣士か斧戦士さんに傷を移すと、二人にとっては致命傷ではなくなる。だから回復とか後手に回っても大丈夫なの」

ア「一般人のけが対処にも使えるね。女の人とか子どもとか体力の少ない人がケガしたときに、成人男性に傷を移せば、死への回避と回復師ヒーラーさんの負担軽減になるね」

斧「一般人は致命傷を負って二時間ぐらいで死んじゃうからねー。うーん脆弱」

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