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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
134/527

M-130 リトルソウル


リトルソウル

身体も精神も子ども




「ねえねえ、魔法使いちゃん。リトルボディとリトルマインド、両方発動したらどうなるの?」

「えー、なにも起こらないと思うよ? 優先度は大人のほうにあるから」


 リトルボディは、身体を子どもにする魔法、リトルマインドは精神を子どもにする魔法である。

 名探偵ごっこや赤ちゃんプレイが捗るね。


「つまり、リトルボディの精神は大人のまま、リトルマインドの身体が大人のままっていう効果が優先されて、結果的に何も起こってないように見えるんだ」

「うん」


 そんな会話をした翌日、魔法使いは、一つ背伸びをして誰ともなく呟いた。


「まあ、こういう相反する魔法があると知ったら、合成したくなるのは流れ的に分かるよね。うむ、盛者必衰の理である」


 近くに座っていた舟長が怪訝な顔をした。

 慣用句の使い方が間違っていたからだろうか?

 もしや、合理的だ、と言いたかったのではなかろうか。

 間違っているとは気づかない魔法使い。

 深く頷くと、杖を取り出して構える。


「長く苦しい戦いだった……」


 魔法使いは過去きのうを振り返る。

 まず、リトルボディとリトルマインドを改造して、子どもになる作用の方が優先されるように効果を変えた。それから……えーと。それしかやってなかった。

 あとは、リトルボディ改とリトルマインド改を、なるべく急いで両方かければ、理論的にはうまく行くはずだ。念のため、それ専用の魔法も作ってあるが、たぶん使わないだろう。


「さて、今日は誰にかけようかな?」


 不穏なつぶやきに、舟長は身を固くする。

 なるべく気配を消して座っている椅子と一体化する。

 気配の読めない魔法使いは、無事、舟長をスルーして剣士に話しかけた。


「君に決めた! なんちゃって」

「オレの幼少期なんて、今とそんなに変わらんぞ?」

「それでもいいよ。効果の確認をしたいだけだから」

「じゃあ、よろしく頼む」


 その言葉を了承と受け取って、魔法使いはリトルボディをかける。

 しかし、リトルマインドが重ねてかからない。

 困った魔法使いは、ディスペルを唱え、一度剣士から魔法を引き剥がす。

 それから、切り札のリトルソウルを唱えると……?


「ここはどこだ?」

「おお、小さく……髪の毛も短くなってる」





魔「昔から長かった訳じゃないんだ」

舟「女の子と間違えられるって言って、やってなかったんだよ」

ア「かなり成長してからだよねー、そうやって伸ばすようになったの」

剣「二人とも、急にでかくなりやがって……オレの目がおかしいのか?」

斧「残念、まだ効果時間中です」

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