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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
131/527

M-127 アウトドリーム


アウトドリーム

望んだ夢を見させる




「サンドバッグさんが可哀想な目に合っている魔法を紹介したいと思うの」

「ひどい字面だ」

「まず、わたしが夢の元となる想像をします」

「ほう」


 舟長が興味深そうに頷いた。

 本当に興味深いと思っているか否かは別として。


「次に、斧戦士さんに丸投げします」

「こらまて。三秒クッキングじゃねーんだぞ、もっと丁寧にやれって」

「そんなこと言われたって。本当のことだもの」

「本当のことならしょうがないよね?」


 斧戦士が魔法使いのあとに続けて言った。

 妙なコンビネーションを見せるカップルに、舟長は舌を巻かざるを得ない。

 なんだ、こいつら。


「次に、おれがこの想像をこうやったりああやったり」

「ちょっと待って。全然わからないから、それ。ちゃんと描写して」


 アサシンに突っ込まれた斧戦士はしばらく考えて、両手のそでをまくった。

 手をもっちゃもっちゃ動かしながら、続きを口にする。


「頑張ってまとめ上げた夢の元を、寝ているサンドバッグに突きさすようなイメージで、脳内に入れます」

「なるほど、ってそれ殴ってない?」


 斧戦士のボディランゲージに疑問を抱くアサシン。

 わたしはそんなことより、脳内に入れるとかいう不思議行為について説明してほしい。


「殴っても可。ただし、サンドバッグが起きないぐらいに調整すること」

「ふうん。それで、サンドバッグさんは魔法使いが想像したとおりの夢を見るんだ」

「うん。魔法使いさんの今の脳内イメージに連動してるから、最初に思い描いた想像とは違う形になることが多いみたいだけど。どっちにしろ、あいつは涙目になるからおれ、満足する」


 ふんす、と鼻を鳴らした斧戦士。実にご満悦である。

 サンドバッグの睡眠を犠牲にして、幸せをかみしめる斧戦士。

 サンドバッグは痛覚を失うことで、処刑大好き斧戦士の制裁から解放された。

 故に、斧戦士は困っていたのだ。もっとあいつを痛めつける方法はないか、と。

 壮大な八つ当たりである斧戦士の復讐は、まだまだ終わりになんかならない。

 ガチで泣いてるサンドバッグに、もっとひどい夢を見せてやるのだ。


「ふふ」

「斧戦士さん、ご機嫌だね」

「うん」






魔「怖い夢を見たときとかにも役立ちそうだね」

ア「サンドバッグさんはいま、怖い夢を見てるの?」

斧「ある意味こわい夢だろうな」

舟「死ぬのが怖くないやつが怖がる夢……? まったく見当がつかん」

剣「うーん、それってオレたちが見てもこわいのか?」

斧「おまえら三人は耐性があるから大丈夫だろう。今日の夜、見てみる?」

舟「……え?」

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