M-124 ステアケーズ
ステアケーズ
か・い・だ・ん
魔法使いが階段で騒いでると思ったら、魔法を使って遊んでいた。
現場を見た舟長は、強い口調で魔法使いを叱りつけた。
こうやって、室内で魔法を放つ危険性を語って、どのぐらい経っただろうか。
魔法使いはいまだ、それを覚えないし、人に無断で魔法をかけるのも忘れない。
舟長の怒りは頂点に達しつつあった。
「魔法使い! 聞いてんのか!」
「だって、高低差があるところじゃないと、効果が分からなくて……あっ!」
舟長を放り出して、自分の部屋に駆け込んでいく魔法使い。
これは確実に話を聞いてない。
舟長はため息をついて、身を翻そうとした。
しかし、ほかならぬ魔法使いの手によってそれは阻まれる。
「舟長、来て!」
「ここ階段だぞ! 危ないから一旦手を放せ!」
玄関から外に飛び出した魔法使いは、今さっき思いついたばっかりの魔法を見せてくれた。
「設定はスノーボールで、よし。行くよ!」
ステアケーズ!
魔法使いがそう叫ぶと、丸い雪玉がたくさん重なった置物が現れ……。
上から崩れ出した。
「ありゃ?」
「ありゃ、じゃない! とりあえず安全な場所に逃げるぞ!」
魔「後日、エレキテルボールでやり直したらうまく階段の形が出来ました」
ア「もう、びっくりしたよー。部屋で本読んでたら、急にみんなの叫び声と揺れを感じたんだから。地震かと思ったじゃんか」
剣「ツリーシードかレインボーリーフを使うのはどうだ?」
魔「でもエレキテルボールの階段じゃ、効果が確かめられないんだよね……って、そうか。ツリーシードがあったね、それでやってみる!」
舟「……結局、聞いてないだろうな。魔法使いの奴め……」




