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M-123 フォールアイス
フォールアイス
つらら
「つららー」
「どうした急に。おい、斧戦士通訳を頼む」
「ピピー。つららだそうです」
「いや、それは分かってる!」
舟長は、まるでふざけているような回答をよこした斧戦士を見る。
斧戦士は数秒考えたあと、解読不能、と言った。
役に立たない翻訳機である。
「ピコーン!」
「魔法を思いついたみたい」
「らしいね」
そんな誰が見ても分かりそうなことを言われたって。
舟長は階段を駆け上がっていく魔法使いを見ながらそう思った。
「舟長ー!」
「実験台になって欲しいって」
「はいはい、今行きますよ」
「おば……あさんみたいなセリフだな」
「そこで止まるなら言い直せよ!」
魔「つららー」
ア「ええっと、空から降ってくる魔法みたいだね」
魔「でも、上に何かないと魔法が発動しないの。室内なら氷柱、生やしたい放題なんだけどね」
ア「ああ、それで舟長に叱られてたんだ。室内で魔法放つな!って」
魔「いや、あれはいつもの茶番」
ア「……舟長、注意喚起が報われないねえ……」




