M-121 オートスコープ
オートスコープ
自動もの投げ機
「相変わらず、説明欄がカオスだな」
「え? なにが?」
「あ、いや、なんでもない」
舟長は雪かきをしながら魔法使いに返事を返す。
すると、背中にべしゃっとした衝撃が。
ゆらり、と後ろを振り返ると、魔法使いが自慢げな顔をして雪玉を握っていた。
その距離、およそ20センチである。
「……その距離は当たるに決まってるだろ」
「わーい、舟長に当たったー!」
「良かったねえ、魔法使いちゃん」
アサシンにも偉業が認められて、魔法使いはそれはもう、わいわい騒いだ。
舟長のおでこに這いよる青筋。
「もっとやってもいいよ」
「いいの?」
「いい訳ないだろ!」
舟長は叫んだが、もう遅い。
斧戦士にそそのかされた魔法使いは、彼女には珍しいくらい的確な投げで、舟長を目一杯攻撃する。
あ、舟長の口に入った。
「おまえ、なんか魔法使ってるな!」
口に入った雪を噛み砕き、舟長は吼えた。
「ありゃ、バレた?」
「でなきゃ、おまえがこんな正確に投げられる訳ないだろ!」
魔「狙ったところに当ててくれるよ」
斧「投げた球も方向音痴になる魔法使いさんには、ちょうどいい魔法かもね」
舟「おまえ……絶対けなしてるだろ」
ア「でも、避けられたらおしまいだよね?」
剣「アサシン、戦闘に使うとは限らないぜ」




