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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
120/527

A2-096 レストレイション(邪)


レストレイション(邪)

正しい使い方




「ここの印だけでも壊れたら、手だけでも動けるっぽいが」


オレンジ色の魔法陣が足元でくるくる回っている。

拘束具でもあるこの封印は、彼の自由を奪っている。

歩く自由。座る自由。死を選ぶ自由。


「うーん、腕が動かねえから印を壊すことすらできやしねえ」


カツーン。カツーン。

遠くから金属の板を踏む足音が聞こえてくる。

あいつがやってきたのだ。

しばらく、こういった自由時間は取れそうにない。

そう判断した彼は、メモ書きをビームで焼き払う。

紙を焼き払ったビームが、鉄格子に当たって跳ね返る。


「いてえ」


すねに傷ができた。

痛覚なんかとっくの昔になくなっているはずなのに、こうして痛がってしまうのは人間の性なのか。

そんなことを考えていたら、あいつが鉄格子の反対側に来ていた。


「よー。今日は何の用事だ? 新人が入るのか?」

「……八つ当たりだ」

「ええ……そんなこと堂々と言うもんじゃないぜ」

「……これは。いつ紙なんて手に入れた?」


ビームで消し炭になったはずの紙きれを見つけられて、一瞬ドキッとする。

あいつの能力は再生。だが、無機物まで回復してしまう力はないはず。


「残りはダストか……。残念だったな」

「何がだよ?」

「レストレイション」

「!?」


確かに燃やして塵にしたはずの紙が集まってくる。

燃えて黒くなった部分も白く蘇る。

あいつの手の先で復元された紙は、当然の如く回収された。


「魔法使いさんのおかげで助かった。またお礼を言わなくちゃ」






?「えーと、紙を返してくれたり……する訳ないよねー」

斧「その魔法陣、まだ改良が必要そうだな」

?「オレにとっては改悪なんですけど」

斧「今回の抜け道にはたっぷりトラップを設置しとこう。これなら壊しても斧戦士さん怒らないよ」

?「やだなー確実に死ぬじゃんか」




魔「悪用厳禁! だよ!」

斧「だよだよ」

舟「真っ先に悪用した奴がなにを言う……」

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