M-116 ポップフィルター
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これでホラーも平気?
「よし。できた」
静かに終了を宣言した魔法使いは、暗い廊下を歩いていた。
ここはいつもスカイアドベンチャーが活躍しているのとは違う世界。
サンドバッグさんがいる世界だ。
「ここらだっけ?」
同じような景色ばかりで、迷ってしまいそうになる。
確か、U-788というところが、サンドバッグさんのお部屋のはずだ。
しばらくうろうろして、見知った人物を見つける。
黒トキワだ。
「ねえねえ、サンドバッグさんのところに連れてってよ」
「……だめ。なんでここにいるの。帰るよ」
「新しい魔法をサンドバッグさんで試したいの。だめ?」
「……」
揺れる心である。マインドである。
しばらく考えて、黒トキワは魔法使いの愉快な作戦に乗ることにした。
黙ってサンドバッグさんのいる牢屋に案内してくれる。
牢屋の前には、斧戦士……いや真トキワと呼んでおこうか。
彼は魔法使いを見ると、心底驚いたらしくて、誤ってサンドバッグの頭を砕いてしまった。
魔法使いの前でグロテクスな惨状を見せてしまい、うろたえる真トキワ。
一方の魔法使いは、術の成功に喜んでいた。
「斧戦士さん、斧戦士さん! 大成功だよ!」
「なにが?」
「この魔法を使ってみると、こんなグロ画像もたちまちホップに!」
「どれどれ……これ逆にグロくない? このぬいぐるみのワタが何に当たるかとか考えると……」
「そういうことは考えないの」
魔「ホラーもグロもこれで楽々攻略!」
舟「イージーモードなんですね、分かります」
剣「ヴァンパイアのお兄さんが活躍する脱出物語もよろしくな」
ア「ここで宣伝するのやめてよ!」
魔「ごめんなさい」




