118/527
M-115 ホワイトプリズン
ホワイトプリズン
冷蔵庫
ある日、舟長が外出から帰ってくると、家が異様に寒かった。
具体的にいうと、リビングの周辺だけ、真冬の朝のように冷え切っていたのだ。
「な、なにが起きてやがる……」
舟長が中心部分に近付いていくと、魔法使いがいた。
こいつのせいか……と安心する舟長。
叱りつけようと口を開くと、息が白く飛んでいく。
「あ、舟長。おかえり」
「ただいま。何をやって」
「アサシンちゃんに頼まれて冷蔵庫作ってるんだ」
「アサシンに?」
「うん。もうすぐ来ると思う」
魔法使いの言葉通り、走ってアサシンがやってくる。
舟長が声をかけるのより早く、段ボールを抱えて行ってしまった。
「何をしてるんだか分からんが、魔法使い。おまえは大丈夫なのか?」
「だんだん足の感覚がなくなってきた」
ア「今年の冬期分の食料を買いだめしたから、倉庫に入れるまで冷やしてもらってたの」
魔「足が凍えていて動けない」
斧「魔法使いさんにしては、そのままじゃないネーミング」
舟「おまえは何してたんだ?」
斧「倉庫で在庫整理」




