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M-105 セグメント
セグメント
分割魔法
「剣士、たまご取って」
「ほいよ」
「ありがとー。それで、これを黄身と白身に分ける……」
アサシンが真剣なまなざしで難問に挑もうとしている。
そのときだ。
リビングにいた魔法使いが頭をにょきっと出した。
「その難問、簡単に解決してあげましょう!」
「魔法使いちゃん……。料理苦手じゃなかったっけ?」
「料理は全般的に苦手だが、魔法は得意! セグメント! 卵を黄身と白身に分けるのだ」
魔法使いが杖を振るうと、既に器に出されていた卵の中身が上昇し始める。
ある程度浮かぶと、中身が二分割される。
「いまだ! 下に器を下に置いて!」
「こ、こう?」
「オッケィ!」
白身はボウルへ、黄身は最初にたまごが入っていた器に。すとんと落ちた。
分割魔法なら、白身と黄身を分けることなど簡単……!
魔法使いはふんす、と鼻を鳴らした。
魔「何作るの?」
ア「メレンゲー。艶出しに黄身も使うんだって」
剣「つーと、どっちかっていうとお菓子作りか?」
ア「あー。腕がつかれる。メレンゲを作る魔法とかない?」
魔「ブレンドで……いや違うな。ちょっと考えておきます」




