M-102 ブレンド
ブレンド
まぜまぜ
「ミキサー車」
「みきしゃーしゃ?」
「違う、ミキサー車」
「みきしゃーさ」
「違う違う! ミキ・サーシャ」
「誰だよ」
ツッコミを入れられて終わりを告げたのは、魔法使いの遊び。
分かりやすく区切ってみたら、人の名前になっていた。
大爆笑をしている魔法使いの横を通り過ぎようとする舟長。
しかし、その行く手は魔法使いの杖によって阻まれた。
「ミキサー車はどうでもいいんだ」
「そうか。じゃあオレを離してくれ」
ぐいぐい食い込む杖に、苦悶の声をあげる舟長。
魔法使いは素晴らしい姿勢でもって、それを抑えようとする。
うぐぐ、ぐいぐい。うぐぐ、ぐいぐい。
先に諦めたのは舟長の方だった。
「分かった、分かった。とりあえず協力するから杖をどかしてくれ」
「よし! じゃあ新しい魔法を作るから手伝って!」
「また、そこらに立ってる仕事じゃないよな?」
「たぶん、違うと思う! まぜまーぜ」
「まーぜまーぜ?」
「炎属性と風属性をまぜまぜして……ファイアストーム!」
「うわっ。家の中で魔法を唱えるなって言ってるだろ!?」
魔「二種類のものをまぜまぜする魔法だよ」
舟「魔法で魔法を作り出す魔法なのか」
魔「魔法がゲシュタルト崩壊!」
舟「そんなに言ってないだろ」




