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ここは、魔導研究所  作者: 紅藤
本編(Mシリーズ+Aシリーズ)
102/527

M-100 スリープアウト


スリープアウト

安眠成就




「うーん、うーん」


 唸っているのは舟長。

 今日は特別何ともない平日。

 舟長はお昼過ぎから惰眠をむさぼっていた。しかし……。


「これ、うなされてるのかな……」


 魔法使いがやってきた。


「うなされてると思うよ」


 アサシンも舟長を覗き込む。


「起こしてやった方がいいんじゃね?」


 剣士が肘をつきながらそう言って、


「何してるんだ? みんなで舟長を囲んで」


 最後に、斧戦士が舟長を取り囲む輪に入った。


「あ、斧戦士さん。いまね、舟長がうなされてるみたいで。それでね、どんな悪夢を見てるか分かる?」

「分かるよ。あとでちょっと昏倒するけど、いいよな?」

「それいつも使ってる心読む手法と変わんねーじゃねーか」

「心を読むのと、夢を読むのはそんなに変わらないだろ」

「えっ?」

「同じ仕組みを用いて視るんだったら、そりゃ昏倒するわな」


 剣士が頷くと、それを了承の合図と受け取った斧戦士が早速、舟長の頭の中に侵入する。

 斧戦士の手が黒い霧のようにぼやけたかと思うと、手首まで入れて舟長の頭をごそごそ探す。


『死んでも大丈夫なはずだが、死んだらまずい気がする!』

『とにかく走って逃げるんだ!』

『やばい、追いつかれる――!』


 斧戦士は珍妙な夢を見ているなあ、と思った。


「起こしてあげた方がいいと思うよ」

「なるほど、オールクリア!」

「魔法使い、あのな。状態異常の睡眠と悪夢状態は違うから、回復しないと思うぜ」

「普通にたたき起こしちゃダメなの?」


 アサシンが過激に舟長をゆすった。起きない。


「そうか、こうすればいいんだな! スリープアウト!」


 魔法使いは杖で舟長の頭をぽこっと叩いた。






魔「舟長、起きたー? おはよう」

舟「これってただの物理攻撃だよな?」

魔「仲間に使っているので治療行為です」

舟「嘘つけ、ただの通常攻撃だ……ろ。……」

魔「あ、あれ!? 舟長が倒れたー!」

斧「あとで昏倒するって言ったじゃんか」

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