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SF『自己鍛造弾頭』  作者: 壱りっとる
第一章『日常』
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『タッチダウン』

 現在。


 機体に大口径レーザーが直撃したほどの---それも全身まんべんなく---熱量を喰らい込んでいる。


 爆発に伴う熱量であり、レーザーのように収束され焦点の定まった減衰し難い熱線では無い---そのお陰で多少の熱量はコーティングの熱反射性能で削減できている---が。


 それでも、発生した熱量の莫大さには勝てず、蒸発したコーティングと装甲材が熱量を処理しきれない状態に陥り、吸収した熱が飽和する。


 臨界を超えて電磁障壁内部で高エネルギーを持った状態に相変化を起こし、遂にプラズマ化して荒れ狂うのであった。


 コーティングの下、セラミック・カーボン・タングステン合金等の複合装甲にも、発生したプラズマ雲がその熱量で侵食し融解する部分も出始める。



「ジャイロが回復・・・しないと開放もできん!」


 閃光に続く大爆風に振り回され、森の奥へと吹き飛んでゆく機体。


 変な角度で喰らい込んだ---本来なら機体が消し飛ぶ勢いの---規格外の押し出しの回転速度と複合ベクトルは並ではなく、機体の姿勢制御系がゲロを吐いて後ずっと沈黙している。


 機体を包む障壁の中で、青白く唸りを上げるプラズマが雲となる。


 障壁の発生機構は、破片避けに回っている電磁障壁でなんとか生存しているが、それも何時まで持つかも分からない。


 だが姿勢制御が戻らないままこの勢いで障壁を開放すれば、その瞬間・・・大気か大木か大地か、またはそれら全部に摩り下ろされるされる事になる。


(プラズマが身体に染みる・・・)


 そんな感覚を物言わぬ赤点灯~ レッドアラート ~に変わる体表センサーで感じていながら、機体制御が取り戻せない。電磁障壁の開放ができないのだ。


system


ジャイロスタビライザー   :回転と衝撃による基準消失エラー

電波スタビライザー :戦塵により電波散乱エラー

レーザー・光学スタビライザー :電磁障壁内のプラズマによる測定不能エラー


 更にシャッターの間に合ったセンサ類と予備センサも、半数はプラズマ浸透によりスクラップと化しているらしい。

諸行無常である。


「あ、あと数秒で回復する・・・とは思うが。・・・まずいな・・・オェエエ」


 三半規管(姿勢制御系)からの、メチャクチャな入力を処理出来なくなって気持ち悪くなったのでシャットアウト。

全てプラズマのせいだ。


ピーッピーッ


警告音。


「うわっ!? 超電導コンデンサ電圧低下・・・損傷チェック! ジャイロ・光磁スタビライザー再チェック!」


・・・ーーーン!!!


 長い思考の末、ようやく爆音の余韻が機体に響く。実時間との乖離が激しい。


 爆心から80m。


 とんでもない勢いで吹っ飛び続ける。


「ジャイロ回復、又は深刻な電圧低下、又は深刻な機体障害、又は安全域への速度低下、何れかの状況でえー」


・・・いずれかの要件を満たせば電磁障壁の展開を終了せざるを得ない。被害覚悟の耐衝撃姿勢で---ジャイロが治らなければ他に手がない---速度低下を待つ。

と思考を繋げようとした。


刹那。


system


電磁障壁喪失:電圧低下エラー


ボッ ゴッガガッガガガガガッ!


 大気との衝突。そのまま空気圧にはたき落とされ、木か岩か地面なのかすらわからない何物かに摩り下ろされ地面をえぐる。 


バヂィバチバチバチ


 それに重なるように、全身に突き刺さるEMPによる過電流。


「まっずい」


 近場で盛大にEMP弾が焚かれたのだろう。


 電磁障壁の開放による電磁気的保護の喪失。おまけにプラズマによる電磁コートの侵食と、無防備に岩や地面に激突した破損。当然生じたEMP防護の裂け目から過電流が流れ込み、即座に電脳網集積を含むブラックボックス周辺が遮断される。


(最悪だ・・・)


system


EMP障害発生:BB封鎖 ラインチェック完了後再起動


-000*-0.0+

エラー。


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