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ミステリー作品集

どこかで会ったキミ。

作者: 候岐禎簾
掲載日:2015/05/06

街を歩いていてふと思う。


「みんなどこへ行くんだろう」と


この一人一人に違う人生がある。


生きる目的も違う。


趣味も容姿もそして性格も違う。


そう思いながら今日もオレは横断歩道を渡っていた。

その時だ。


向かいから来る女性と偶然目があった。1秒いや2秒ほどお互い見つめあった。


あれ、なんだこの不思議な感覚。オレは彼女を知っている??


誰だ誰なんだ…。オレは瞬時に記憶を探る。


いや、ダメだ。思い出せない。でもどこかで…。


気が付くと彼女は雑踏の中に消えていった。


たしかにあの女性とは過去にどこかであったことがある。


でも、どこで…。






「そういや、今日夕方から雨って天気予報で言ってたな」


空を見上げると曇天どんてんの空が広がっていた。

早く帰ろうと思いながら、少し早歩きで昨日と同じ横断歩道を渡ろうとした時だ。


「あれ、あの女性…」


向かい側から人々の雑踏に紛れて、昨日この場所で目があった女性が歩いてきた。


「やっぱりあの女性は見覚えがある」


もう一度彼女の顔を見た瞬間、疑惑が確信にかわった。

「よし、話しかけてみよう」


そう決意した時だ。


横断歩道の真ん中ですれ違った彼女がオレに駆け寄ってきた。


そして、彼女からオレに話しかけてきた。


「こんにちは。私のこと覚えてます?」


彼女はぎこちない笑顔を浮かべながらそう言った。


「あ…。すいません。どこで会ったかは覚えてないんです。でも間違いなく会ったことありますよね」


「オレは正直にそう答えた」


「そうですか。でもまた会えてよかった。あの時は助けてくれて本当にありがとうございました」


そう言って彼女はペコリと頭を下げた。


「え…。助けた?この女性を?でも…。オレは覚えてない」


戸惑っているオレを見ながら彼女は話を続ける。


「あなたがまだ小さい頃、猫を助けましたよね?」


猫…。それなら覚えてる。たしかにオレは小学校5年生の時、トラックに引かれそうになった猫を助けた。あの時、ケガをして少し入院したから鮮明に覚えている


「猫を助けた事は覚えてます。もしかして飼い主の人?」


「う~ん、少し違います。でもそんなとこです。あっ…もう時間がないから私はこれで。本当にありがとうございました!」


そう言って彼女は裏路地の方へ走っていった。


オレは急いで彼女を追いかけたのだが、そこにはもういなかった。


上を見上げると、トタン屋根に一匹の黒猫がいた。


黒猫は透き通った眼差まなざしでこっちを見ていた。



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― 新着の感想 ―
[一言] 女性との不思議な出会いがとても印象的でした。女性と一匹の黒猫の関係性が面白かったです。 短い間でも人との出会いは大切だと実感しました。 読ませて頂きありがとうございました。
2015/05/09 16:38 退会済み
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